[９日 ロイター] - 資源大手リオ・ティントは９日、リチウム生産の米アルカディウムリチウムを現金６７億ドルで買収すると発表した。世界有数のリチウム生産会社となる。

アルカディウムリチウム株１株当たり５．８５ドルで買収する。ロイターが買収の可能性を報じた今月４日の終値に９０％のプレミアムを乗せた。

４大陸にまたがるリチウム鉱山、処理施設、鉱床のほか、テスラ、ＢＭＷ、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）などの顧客基盤を獲得することになる。

買収は両社の取締役会が全会一致で承認。２０２５年半ばに完了する予定。

リチウム価格は中国の供給過剰や電気自動車（ＥＶ）の販売鈍化を背景に低迷しており、リチウム生産会社は魅力的な買収ターゲットとなっていた。アルカディウムリチウムの株価は年初から３７％以上値下がりしている。

リオ・ティントのヤコブ・スタウショーン最高経営責任者（ＣＥＯ）は今回の買収について「当社の規律ある資本配分枠組みに沿ったカウンターシクリカル（反循環的）な事業拡大であり、サイクルの適切な地点で成長力の高い魅力的な市場へのエクスポージャーを高めるものだ」と述べた。