- 2024/10/09 掲載
午後3時のドルは小幅高148円半ば、株高で円売り圧力
Mariko Sakaguchi
[東京 9日 ロイター] -
午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(148.19/20円)から小幅高の148円半ばで取引されている。アジア株高を背景にリスクオンの流れから円売り圧力が強まり、ドルは強含んだ。時間外取引の米長期金利の小幅な上昇もドルのサポート要因となった。
ドルは朝方に一時148.02円付近まで下落した後、仲値公示に向けて国内輸入企業による買いが入り、じり高となった。ただ、積極的な実需の売り買いは出なかったとみられ、明確な方向感はでなかった。
その後のドルは148円前半で小動き。午後に入り、国務院新聞弁公室が9日、中国財政省が12日に景気を押し上げるための財政刺激策について記者会見を開くと発表。これを受けて、香港株が上昇に転じたことを眺めて、豪ドルなどクロス円が上昇。この流れが波及し、ドルも148円半ばまで小幅に上昇した。
米大幅利下げ観測の後退に加えて、日銀による早期の追加利上げ観測の後退を背景に、足元のドルは147―149円のレンジが構築されつつある。
あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は「市場の米利下げの織り込みは、米連邦準備理事会(FRB)が示したドットチャート通りとなり、心地良い位置にある」との見方を示す。
足元ではボラティリティーは低下していないことから「積極的にドルを買うようなキャリートレードの動きは出にくい」(国内銀の為替セールス担当)との声も聞かれる。ただ、市場が徐々に落ち着きを取り戻し、米大統領選挙が波乱なく通過すれば、再び150円を方向を目指す可能性があるという。
ドルが一時的に150円を抜けたとしても、円安進行と同時に日銀の追加利上げ期待が高まりやすく、200日移動平均線の151.15円付近を超えるような上昇にはならないとみられている。
今晩公表される9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に市場の関心が集まる。SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「予防的な利下げだったと確認できれば、大幅利下げ観測の後退を補強する形となる。一方で、予想以上にタカ派的になるとも考えにくい」とみる。複数のFRB高官の講演が予定されており、「11月会合で米政策金利が据え置かれるとの観測が高まるような発言がでてくるか注目だ」(上田氏)との声が聞かれた。
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利のオ
フィシャルキャッシュレート(OCR)を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、4.75%とした。ニュージーランド・ドルは対ドルで一時的に下落したものの、足元では一服している。 本文1段落目の誤字を修正し、再送します。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 148.59/148.60 1.0973/1.0974 163.05/163.06
午前9時現在 148.14/148.15 1.0975/1.0976 162.59/162.61
NY午後5時 148.19/148.20 1.0980/1.0983 162.71/162.75
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