- 2024/08/13 掲載
海外勢、日本株に弱気に転じる 乱高下受け
[香港 13日 ロイター] - 先週の日本株の乱高下を受けて、海外投資家が日本株に弱気に転じている。
日本国外で唯一、日経平均株価の下落に賭けることができる上場投資信託(ETF)である香港上場の「CSOP日経225デイリー・ダブル・インバースETF」は先週、取引高が急増。
1日当たりの平均売買代金は約2000万香港ドル(257万ドル)と、前週の約100万香港ドルから20倍に増加し、今年5月の運用開始以来、最高を記録した。
ゴールドマン・サックスによると、グローバルヘッジファンドによる日本株の売却ペースは、8月2─8日の1週間に過去5年余りで最高を記録。一部の長期投資家もエクスポージャーを減らし始めた。
ロンドンを拠点とする大手資産運用会社LGIMのアジア投資戦略責任者ベン・ベネット氏は、日銀の量的引き締めと円高が日本株の逆風になると指摘。LGIMのマルチアセット・ファンドは先週までに日本株をアンダーウエートに転じ、その後もアンダーウエートを維持しているという。
スイスの資産運用会社UBPのアジア担当シニアエコノミスト、カルロス・カサノバ氏は、円キャリー取引の解消について「日本株の上昇要因の1つが徐々に弱まりつつある」とし「ファンダメンタルズの改善、つまり業績の上方修正が必要だ。これは日本経済が回復しない限り、実現できない」と述べた。
UBPは最近、日本株の一部のポジションを解消し、現在は中立的なスタンスを取っている
UBPの東京駐在シニア・ポートフォリオ・マネジャー、ズヘア・カーン氏は、米国の利下げの道筋と円相場がともに予測しづらくなっているため、日本市場の取引が難しくなっていると指摘した。
市場は、今週発表の第2・四半期の日本の国内総生産(GDP)と米インフレ統計に注目。
UOBケイ・ヒアンの香港駐在エグゼクティブディレクター、スティーブン・レオン氏は「今は誰も軽率な行動を取りたくない。投資家は日本株の売りが終わったかどうか、さらなる情報に基づいた結論を下すため、今週発表される重要な指標を待つ必要がある」と述べた。
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