- 2024/08/05 掲載
日経平均は3日続落、過去最大の4451円安 米景気懸念や円高でパニック売り
[東京 5日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比4451円28銭(12.40%)安の3万1458円42銭と、大幅に3日続落して取引を終えた。年初来安値を更新、2023年11月以来の安値水準となり、年初からの上げが帳消しとなった。米国の景気後退(リセッション)懸念、急速なドル安/円高進行などが嫌気された。日経平均は下落率・下落幅ともに今年最大、歴代では過去最大の下落幅、過去2番目の下落率となった。
日経平均は660円で寄り付いた後も下げ幅を拡大し、3万5000円、3万4000円、3万3000円と心理的節目を相次ぎ下回って大引け間際に4753円安の3万1156円12銭で安値を付けた。米雇用統計の弱い結果を受けた景気後退懸念を発端に、東京株式市場ではパニック売りが広がり株価の下げが加速。時間外取引での米株先物3指数が下落し、ナスダック先物が大幅安となったことも手掛かりとなった。終値ベースでの下げ幅は、1987年10月20日のブラックマンデー(3836円)を超え、過去最大となった。
需給面では、信用取引の追い証発生に伴う個人投資家の投げ売りといった短期筋のロスカットのほか、空売りも株価の下落に拍車をかけた。市場では「売りが売りを誘う展開で、下値めどが立たない」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれた。
大阪取引所では、指数先物のサーキットブレーカー発動が相次ぎ、日経平均のほか、TOPIX、東証グロース市場250指数、JPX日経400、日経平均VIの先物で2回発動した。サーキットブレーカーは変動率が基準値を超えた場合、自動的に発動される。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「米景気の減速感に加え、日銀の追加利上げ、人工知能(AI)バブル崩壊の予兆など、トリプルパンチの様相。短期のリバウンドは見込めるものの、中長期的なトレンドでは怪しくなってきた」との見方を示す。
東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、12.23%安の2227.15ポイントで取引を終えた。同じく年初来安値を更新し、23年10月以来の安値水準となった。東証プライム市場指数は前営業日比12.24%安の1146.16ポイントと、同じく年初来安値を更新。プライム市場の売買代金は7兆9674億9900万円だった。
東証33業種では、全業種が値下がり。保険、銀行、証券、非鉄金属、海運、卸売が値下がり率上位となり、15─17%超下落した。東証プライム市場の時価総額は、1日で約105兆円吹き飛んだ。
個別では、トヨタ自動車が13%超安、東京エレクトロン、ソフトバンクグループが18%超安、アドバンテスト、TDKが15─16%超安となるなど主力株が軒並み大幅安。東京エレクのほか、ディスコ、商船三井、三井住友フィナンシャルグループなど、ストップ安水準まで売られる主力株も少なくなかった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が15.84%安の485.02ポイントと、大幅に3日続落。20年3月以来の安値水準となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが14銘柄、値下がりは1625銘柄(98%)、変わらずは7銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 31458.42 -4,451.28 35249.36 31,156.12─35,301.18
TOPIX 2227.15 -310.45 2488.25 2,206.73─2,489.22
プライム市場指数 1146.16 -159.90 1280.70 1,135.86─1,281.09
スタンダード市場指数 1056.25 -129.07 1162.86 1,049.75─1,163.22
グロース市場指数 628.25 -120.79 732.47 624.93─732.47
グロース250指数 485.02 -91.27 563.75 482.29─563.75
東証出来高(万株) 408980 東証売買代金(億円) 79674.99
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