- 2024/08/02 掲載
NY外為市場=ドル上昇、地政学的緊張で 英利下げ受けポンドは下落
今週起きたイスラム組織ハマスのイスマイル・ハニヤ最高指導者の暗殺を受け、イスラエルへの報復攻撃や中東紛争の拡大を巡る懸念が強まっている。
コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「中東で全面的な紛争勃発の脅威が高まっている」とし、「ドルの安全資産としての魅力を支えている」と述べた。
世界的な株安もドルの安全資産としての需要を押し上げている可能性がある。
また、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でパウエル連邦準備理事会(FRB)議長が示したハト派的なコメントを受け、ドルは売られたものの、行き過ぎだったとの見方も出ているもよう。
シャモッタ氏は「パウエル議長は記者会見で極めてハト派的だったが、FOMCの声明は実際、よりバランスが取れているように見える」と指摘した。
FRBは7月30─31日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、金利据え置きを決定。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、早ければ9月のFOMCで利下げを議論する可能性があると述べた。
市場では、年内に0.25%ポイントの利下げが計3回実施されるという見方が完全に織り込まれている。これは9、11、12月の会合で実施される可能性を示唆している。
FRBの政策決定に影響を与える可能性があるとして、市場では2日発表の7月の米雇用統計が注目されている。
1日発表された7月27日までの1週間の米新規失業保険申請件は前週比1万4000件増加の24万9000件と、昨年8月以来の高水準となった。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.35%高の104.41。
ポンド/ドルは0.96%安の1.2733ドルと、7月3日以来の安値を付けた。英中銀は政策金利を16年ぶり高水準から0.25%引き下げ5.00%とした。インフレ圧力が十分緩和されたか意見が分かれ、5対4での決定となった。
ユーロ/ドルは3週間ぶりの安値となる1.07775ドルに沈んだ後、0.36%安の1.07865ドル。
ドル/円は0.21%安の149.65円。一時、3月15日以来の安値となる148.51円を付ける場面もあった。日銀が7月30―31日の金融政策決定会合で利上げを決定したことを受け、円は前日急伸した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.68%安の6万2848ドル。
ドル/円 NY終値 149.36/149.37
始値 150.01
高値 150.89
安値 149.30
ユーロ/ドル NY終値 1.0791/1.0792
始値 1.0782
高値 1.0817
安値 1.0780
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