- 2024/08/01 掲載
FRB、金利据え置き 議長「早ければ9月に利下げ検討」
声明はインフレについて「2%の目標に向けてさらなる一定の進展があった」とし、早ければ次回9月の会合で利下げを実施する可能性を示唆した。同時に、利下げに着手する前に「インフレが持続的に2%に向かっているという確信を強める」ことがなお必要という認識を示した。
パウエル議長は会見で利下げに関し、「今後の会合については何も決定していない」とし、全ての政策決定は会合ごとに行われると述べた。ただ、FRB当局者が物価圧力が緩和しているとの確信を深めているとし、「経済は政策金利を引き下げることが適切な状況に近づいている」という見解を示した。
声明文では、インフレが「高止まり」しているとの文言が「幾分高止まり」しているという表現に和らげられた。
さらに「インフレリスクに非常に注意を払う」という文言が削除され、物価安定と最大雇用という「二大責務の双方のリスクに注意を払う」という表現に変更された。
経済情勢については「堅調なペースで拡大を続けている」とし、雇用の伸びは「緩やかになっている」ものの、失業率は「低水準にとどまっている」とした。
パウエル議長は、現在「より広範なディスンフレ」が進んでおり、モノの価格に加え、住宅以外のサービスなどにも及んでいるとし、インフレ圧力が全体的に低下していることは好ましいと述べた。
さらに、インフレが予想通り鈍化し、経済成長が引き続き適度に堅調で、労働市場が現状を維持すれば、早ければ9月のFOMCで利下げが検討される可能性があると述べた。
金融市場は、FRBが9月に利下げを開始するという予想を維持。9月に0.25%ポイントの利下げが行われた後、11、12月の会合でさらに同程度の利下げが2回実施されるという見方を織り込んでいる。
インフレーション・インサイツのオマール・シャリフ社長は今回のFOMCについて、「9月の利下げに向けた小さな一歩」と指摘。「7月にインフレ面でさらに良いニュースが出てくれば、パウエルFRB議長は9月の利下げの可能性が非常に高いという、より意味のあるシグナルを発するだろう」という見方を示した。
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