- 2024/07/25 掲載
米株大幅安で「恐怖指数」3カ月ぶり高水準、ハイテク主導に疑念
[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米株式が大幅下落した24日、投資家の不安心理を反映する「恐怖指数」が3カ月ぶりの高水準に達し、関連したオプション取引が膨らんだ。
電気自動車(EV)大手テスラや、グーグル親会社アルファベットの低調な決算発表を受け、S&P総合500種は2.3%下落。大手ハイテク企業と人工知能(AI)ブームにけん引された今年の株高が持続しないのではないかとの懸念が広がった。
これに伴って、恐怖指数と呼ばれるシカゴ・オプション取引所のボラティリティー・インデックス(VIX)は18.46と、4月下旬以来の水準まで跳ね上がった。トレード・アラートのデータからは、VIXのオプション売買高も通常の2倍近くに増えたことが分かる。
こうした動きは、大手ハイテク株の割高化が進んでいたにもかかわらず、それらごく一握りの銘柄が相場全体を引っ張っている市場の脆弱性を浮き彫りにしている。
ただ複数のオプション市場参加者の話では、今のところパニックの兆候は見られない。
キャンター・フィッツジェラルドの株式デリバティブ取引責任者を務めるマシュー・ティム氏は、買い持ち資産の下落リスクに対する守りを固めるポジションが秩序立った形で構築されつつあると説明。株式市場がこれまで何カ月も力強いリターンをもたらしてきたことから、投資家は多少のボラティリティーの高まりは吸収できる態勢を保てそうだと付け加えた。
S&P総合500種と、ハイテク株の比重が高いナスダック100は引き続きそれぞれ年初来の上昇率が14%と13%もある。
この日6.8%下がった半導体大手エヌビディアも、年初来ではなお130%前後も上昇している。
VIXは、昨年10月に23まで切り上がる場面もあった。
投資家にとっては、ハイテク大手の業績以外にも政治的な不透明感、米連邦準備理事会(FRB)の政策転換見通し、9月と10月は相場が季節的に弱くなる傾向などが、ヘッジに動く誘因となっている。
それでも市場はすぐに落ち着くと予想し、ボラティリティー増大時に価格が上昇する上場投資信託(ETF)などの売り持ちを通じて収益を確保しようとする向きも存在する。
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