- 2024/07/24 掲載
中国のクオンツファンド、上期の運用成績悪化 規制強化など重し
[香港 24日 ロイター] - 中国のクオンツファンドの運用成績が今年上期に大幅なマイナスとなり、国内の伝統的な株式ファンドや人気の高い海外ファンドの運用成績を下回った。
同国のクオンツファンド業界は2000億ドル規模。市場関係者によると、運用成績の悪化を受けて再編が進んでおり、一部のファンドは閉鎖を余儀なくされた。
クオンツファンドは急成長していたが、中国当局が個人投資家の信頼回復に向けた取り組みを進める中、規制強化の矢面に立たされている。
同国では今年2月に「クオンツ・クエーク(地震)」として知られる市場の混乱が発生。空売りや高頻度取引に関する規制が強化される中、クオンツファンドが損失を取り戻せるかに海外投資家の注目が集まっている。
中国A株市場に投資するクオンツ・ヘッジファンドの上期の運用成績は平均マイナス8.6%。昨年通年はプラス3.2%だった。
特に、小型株で構成するCSI1000指数に投資するファンドは運用成績がマイナス14%と、大きな打撃を被った。これに対し、国内株式ヘッジファンドの運用成績はマイナス3%だった。中信建投証券が明らかにした。
PaiPaiWang Investment and Managementのデータによると、中国で運用資産が100億元(13億7000万ドル)を超えるクオンツ・ヘッジファンドは今年6月時点で30本。昨年末の32本から減少している。
コンピューターアルゴリズムとレバレッジを駆使するクオンツファンドは過去数年、市場の低迷にもかかわらず、小型株への投資で好調な運用成績を記録していた。
だが今年2月には、政府系投資機関が大型株を買い支えたことを受けて運用成績が悪化。
また、中国の証券規制当局もクオンツ取引に警告を発し、クオンツファンドが個人投資家に対して不当に優位な立場にあると主張。関連取引の規制を強化した。
ピボタルパスのジョナサン・カプリス最高経営責任者(CEO)は「市場の流れは中国に特化したクオンツに逆行しており、実際に一部のファンドが閉鎖された。新たな空売り規制により、中国のクオンツが繁栄を謳歌するのは難しくなるだろう」と指摘。
サセックス・パートナーズのマネジングパートナー、パトリック・ガリ氏は「中国は市場規模が大きく、投資家として無視できないが、中国への投資ではどのようなアプローチがベストなのか、投資家が非常に慎重になっていることは事実だ」と述べた。
OPインベストメント・マネジメントの投資家広報責任者エリン・ウー氏は「2月のクオンツ危機は、極限状態でのストレステスト(健全性審査)の役割を果たした。あまり悪影響を受けず、素早く損失を取り戻せるファンドが際立つことになる」と述べた。
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