- 2024/07/20 掲載
NY市場サマリー(19日)ドル上昇・株続落、利回り上昇
世界各国で発生した大規模なシステム障害は米サイバーセキュリティー企業クラウドストライクのセキュリティーソフトが原因だったとみられ、金融機関や医療サービスなどの多くの分野で業務に影響が広がった。
ペッパーストーンの市場アナリスト、マイケル・ブラウン氏は「システム障害で質への逃避が引き起こされた」と指摘。「条件反射的なドル買いが入り、その勢いは午後の取引まで続いた」と述べた。
主要通貨に対するドル指数は0.24%高の104.39。週間では0.3%高となった。
ドルは対円で0.07%高の157.48円。週間では0.24%下落した。
円は年初来、主に日米金利差の拡大により、対ドルで10%超下落している。
ユーロは0.16%安の1.0878ドル。2週間続いた上昇基調は一服した。
英国立統計局(ONS)が19日発表した6月の小売売上高(数量ベース)は前月比1.2%減少した。5月は2.9%増加していた。
ポンドは0.25%安の1.2909ドル。週間では0.6%安となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.86%高の6万6924.00ドル。イーサは2.79%高の3508.90ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが上昇した。市場では米連邦準備理事会(FRB)が利下げに着手する時期の手がかりを得ようと、来週に発表される経済指標のほか、再来週の連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。
来週は25日に第2・四半期の国内総生産(GDP)、26日に6月の個人消費支出(PCE)が発表される。FRBはその次の週の30─31日にFOMCを開催。パウエルFRB議長が記者会見で9月会合での利下げを示唆するか注目されている。
ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、アンジェロ・マノラトス氏は「市場はFRBが9月に利下げを開始すると確信しているが、FRBは慎重な姿勢を崩していない」とし、パウエル議長が7月のFOMCでどの程度強いガイダンスを示すか注目されていると指摘。パウエル氏の発言内容は「インフレ指標が引き続き良好なら9月にも利下げを開始できる」といった路線に沿ったものになるとの見方を示した。
2年債利回りは4.8ベーシスポイント(bp)上昇の4.509%。16日には4.409%と、4カ月ぶり低水準をつけていた。
10年債利回りは5.1bp上昇の4.239%。17日には4.144%と、4カ月ぶり低水準をつけていた。
2年債と10年債の利回り格差は横ばいのマイナス27bp。15日にはマイナス22bpと、1月以来の水準に縮小していた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 主要株価3指数が続落。世界的なシステム障害に絡む混乱が長引き、すでに不安が強まっている市場では不確実性が高まった。
問題は特定され修正プログラムが展開されたものの、一部サービスの復旧には時間がかかっているもよう。
クラウドストライクの株価は11%強急落。一方、競合のパロアルトネットワークスは2.2%上昇した。
この日下げが目立ったダウ工業株30種は週足では上昇した。一方、ナスダック総合とS&P総合500種は週間で4月以来の大幅な落ち込みとなった。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は4月下旬以来の高水準に達した。
エヌビディアが売られ、半導体株の下げを主導。フィラデルフィア半導体指数は3.1%下落した。
S&P500の主要11セクター中、エネルギーが最大の下げを記録する半面、ヘルスケアと公益は上昇した。
動画配信サービス大手ネットフリックスは1.5%安。第2・四半期の新規会員数は800万人超と、市場予想を上回ったものの、第3・四半期について慎重な見通しを示したことが嫌気された。
米企業の四半期決算発表が本格化する中、来週に発表を予定するテスラ、アルファベット、IBM、ゼネラルモーターズ(GM、フォードなどの決算が注目される。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は19日、連邦準備理事会(FRB)は引き続き2%のインフレ目標達成に注力していると述べた。
CMEのフェドウオッチによると、金融市場はFRBが93.5%の確率で9月会合で利下げを開始するとの見方を織り込んでいる。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.11対1の比率で上回った。ナスダックでも1.91対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は105億4000万株。直近20営業日の平均は117億2000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ドル上昇に伴う割高感を背景に利益確定の売りが加速し、3営業日続落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比57.30ドル(2.33%)安の1オ ンス=2399.10ドル。週間では0.90%下落した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 中東の地政学的リスクの後退やドル高を背景に売り込まれ、急落した。米国産標 準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比2.69ドル(3.25%)安の1バレル=80.13ドル。これは中心限月ベースで6月中旬以来、約1カ月ぶりの 安値水準。週間では2.08ドル(2.53%)下落した。9月物は2.66ドル安の78.64ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
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