- 2024/07/12 掲載
3兆円超の為替介入か、11日夜の円急騰 日銀当預予想が示唆
Noriyuki Hirata
[東京 12日 ロイター] - 政府・日銀が、11日に3兆円超の円買い介入を行ったとの推計が市場で出ている。日銀が12日に公表した16日の当座預金残高予想が民間予測から大きく乖離(かいり)しており、11日夜のドル/円急落の背景に介入があったことが示唆された。
日銀は、金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高について、16日は財政等要因が3兆1700億円の不足になるとの見通しを公表した。一方、セントラル短資などの民間短資会社3社が予想する財政等要因の余剰・不足額の予測は、2000億円─4000億円の余剰となっていた。介入額はその差額の約3兆3700億円─3兆5700億円の規模になった可能性があると推計されている。
セントラル短資の高浜陽介企画調査グループ次長は「3.5兆円規模の為替介入をしていた可能性が示唆される」と指摘。上田八木短資インターバンク営業部の西登志泰次長も「予想より財政等要因の下振れが大きく、3兆円程度の円買い介入が実施された可能性が考えられる」と話している。
日本時間11日夜の外国為替市場で、ドル/円は米消費者物価指数(CPI)が発表された後に短時間で約4円下落した。市場では、政府・日銀が為替介入を実施したとの観測が浮上。神田真人財務官は記者団に対し、介入の有無を明らかにしなかった。財務省は今月31日に、6月27日─7月29日の介入実績を公表する。
<連休中の介入への警戒感も>
みずほ証券の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは、財務省が11日に為替介入した可能性が高いとみる一方、円相場に対する影響は一時的と予想する。「円安を食い止める長期的な力を持っているかと言われれば、ないだろう」とした上で、「円高方向へ持っていくにはさらなる介入、例えば前回のように連休の商いが薄い状況を狙った介入が必要」と語る。
祝日だった4月29日にドル/円が乱高下した背景には、政府・日銀が5兆円規模の円買い介入をしたとの市場推計がある。今週末は3連休で、15日は祝日。相場動向次第では為替介入への警戒が再び高まる可能性がある。
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