- 2024/07/06 掲載
米6月雇用20.6万人増、失業率上昇 賃金伸び減速:識者はこうみる
[5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比20万6000人増と、健全な伸びを示した。一方、失業率は4.0%から4.1%に上昇し、賃金の伸びは鈍化した。労働市場が緩和しつつある状況が示唆されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを開始する可能性がある。
市場関係者に見方を聞いた。
◎FRBの期待水準に前進
<ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、スコット・レン氏>
経済の減速や失業率の上昇を伴う賃金の若干の伸び鈍化が示され、米連邦準備理事会(FRB)が期待している水準に近づいている。賃金の伸びは4%を下回ったが、FRBは3%台を望んでいる。
これは、最近目にしてきた鈍化の兆候を示唆する多くの指標を裏付けるものだ。
◎9月と12月利下げに道、賃金動向鎮静化
<スパルタン・キャピタル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のチーフマーケットエコノミスト、ピーター・カルディリョ氏>
労働市場では雇用創出が続いている。失業率は民間部門の弱さを反映して上昇したものとみられるが、ここで重要なのは、賃金動向が落ち着きつつあるという事実だ。
今回の雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)の安心につながるものだった。来月もこうした状況が続き、賃金の伸びが上向かなければ、9月の利下げに続き、12月に追加利下げが実施されると予想している。
◎年内利下げは1回、今後のインフレ指標次第
<バワーソック・キャピタル・パートナーズの最高経営責任者(CEO)、エミリー・バワーソック・ヒル氏>
比較的良好な内容だったと言える。雇用者数の伸びは市場予想を幾分上回ったが、懸念をあおった5月の数字からは鈍化した。市場に動揺が走るほど悪い内容ではなく、FRBの懸念を誘うほど悪い内容でもなかった。
夏の終わりまでに際立って良好なインフレ指標が出てくれば、年内に2回の利下げが実施されても驚きではないが、われわれの基本シナリオは引き続き1回の利下げだ。FRBも年内1回の利下げを想定していることを極めて明確にしている。
PR
PR
PR