- 2024/07/04 掲載
TOPIX、34年半ぶり史上最高値更新 バリュー株買い広がる
[東京 4日 ロイター] - 4日の東京株式市場で、TOPIX(東証株価指数)が史上最高値を更新した。一時2890.52ポイントまで上昇し、1989年12月以来、34年半ぶりの高水準となった。日銀の金融政策引き締めを意識した銀行株などの金融株高がドライバーになり、春先以降のバリュー(割安)株物色の流れに勢いがついた。
TOPIXは3月に史上最高値を更新した日経平均に比べ出遅れていたが、4月以降は相対的に優位となり、キャッチアップしてきた。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は3月の14.8倍が足元14.1倍と低下している。
三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏は「日銀の追加利上げを意識した金融株への物色がけん引役となり、他のバリュー株にも物色が広がった」と指摘する。東京証券取引所による資本効率改善の改革要請への期待感が維持されていることも、バリュー株を支えたとみられている。
TOPIXの高値更新は「想定外の早さで到来した」と東洋証券・ストラテジスト、大塚竜太氏はみている。全体相場の高値トライは今月後半からの決算シーズン辺りと見越していた市場参加者が多かったが、決算を先取りした買いも入っているという。
大塚氏は、6月最終週辺りから相場付きが変わり、銀行などの上昇が強まってTOPIXが押し上げられてきたと分析。テクニカル面で買いシグナルが点灯したほか、年金基金のポートフォリオ変更への思惑などで海外短期筋の買いに弾みがついたとみている。さらに「上場投資信託(ETF)の換金売りに向けて売りポジションだった投資家が踏み上げられたようだ」という。
当面、TOPIXは相対的に強い地合いが続くと三井住友トラスト・アセットマネジメントのチーフストラテジスト・上野裕之氏は見込んでいる。「足元の日経平均は半導体関連銘柄に左右されやすく、ボラティリティーが高い。日本株の底上げ基調が強まる中、TOPIXは安定的に優位性を保てるだろう」という。
ただ、TOPIXと日経平均はともに、足元1週間ほどの上昇の速度が速く「高値警戒感も意識されやすい」(野村証券・ストラテジスト、神谷和男氏)との指摘もあり、買いが持続するかが焦点となっている。
林芳正官房長官は4日午前の会見で、TOPIXの史上最高値更新について、政府として株価の水準に一喜一憂せず、内外の資金呼び込みや物価高に負けない賃上げの実現、企業の稼ぐ力強化などの取り組みを進める考えだとコメントした。
*内容を追加しました。
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