• 2024/07/04 掲載

キャッシュレス時代の新紙幣=渋沢、最後の「顔」?

時事通信社

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20年ぶりに刷新された紙幣は、3次元ホログラムなど世界最先端の偽造防止技術を取り入れた。デザインを手掛けた国立印刷局のノウハウの結晶だが、今やキャッシュレス時代が本格的に到来。日々の生活ではクレジットカードや電子マネーで支払う場面が増えた。紙幣の刷新は、渋沢栄一が1万円札の「顔」に選ばれた今回が最後との声も上がっている。

日本は「現金信仰」が根強い。国際決済銀行(BIS)によると、2022年の通貨流通量の対名目GDP(国内総生産)比は日本が23.3%と、ユーロ圏の11.9%や米国の8.7%を大きく上回る。日銀がアンケート調査で日常の支払いに現金を利用する理由を聞いたところ、「その場で支払いが完了する」「使い過ぎる心配が少ない」などの回答が上位を占めた。

ところが、ここにきて銀行券発行残高は減少し始めた。キャッシュレス化の進展などを背景に、23年度末は前年度比0.9%減の120兆8798億円と、12年ぶりのマイナスに転じた。経済産業省によると、23年のキャッシュレス決済比率は39.3%と10年前の約2.5倍に拡大。政府は将来的に8割に引き上げることを目指している。

日本のキャッシュレス決済は、外国人旅行客の増加やコロナ禍、東京五輪・パラリンピックを経て徐々に普及してきたが、韓国や中国、欧米などに比べれば、まだまだ後れを取っている。その理由について、海外の金融動向に詳しい東洋大学の川野祐司教授は決済サービスが乱立して仕様がバラバラな点を挙げ、「国が仕様を統一すればさらに普及するのではないか」とみている。

将来、日銀がデジタル通貨(CBDC)を発行すれば決済手段は一変する。政府・日銀は「現時点で発行する計画はない」との立場だが、社会的なニーズが高まった場合は速やかに導入できるよう、技術的な検証や法整備などの議論を進めている。

偽造を防ぐため、これまでのように20年周期で紙幣が刷新されるとすれば、次の新札が登場するのは40年代半ば。CBDCが発行されている可能性も小さくなさそうだ。今回の新紙幣について、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「広く利用される最後の紙幣になるという歴史的な意義があるのではないか」と話している。

【時事通信社】

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