- 2024/06/03 掲載
午前の日経平均は続伸、一時500円超高 米インフレへの懸念和らぐ
[東京 3日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比361円75銭高の3万8849円65銭と、続伸した。前週末の米市場でインフレへの過度な警戒感が和らぎ、株高となった流れを引き継いで、日本株はしっかりした展開となった。指数寄与度の大きい銘柄やハイテク株の一角が買われ、上げ幅は一時540円を超える場面もあった。
日経平均は前営業日比247円高としっかりでスタートした後も上げ幅を広げ、前場序盤に3万9032円50銭まで上昇した。時間外取引で米10年債利回りが低下基調となったほか、米株先物がプラス圏で推移し、「投資家心理を支えて上げ幅拡大につながったのではないか」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。
日経平均は買いが一巡するとやや上げ幅が縮小し、3万8800円台を中心とした推移が継続。セクター別では、証券や保険など金融株の上昇が目立った。
T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー、浪岡宏氏は「テクニカル面では、75日移動平均線(3万8967円57銭=現在)が上値を抑える形となっており、同水準を明確に上回れるかが注目される」と話す。目先の日経平均は3万9000円台で値固めできるかが焦点になりそうだ、という。
一方、国内では夏以降に実質賃金のプラス転換が見込まれており、「物色動向としては小売りやサービス関連に追い風が吹きやすく、TOPIXは底堅く推移するのではないか」(浪岡氏)との指摘もあった。
TOPIXは0.83%高の2795.40ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆1037億2800万円だった。東証33業種では、保険、証券、鉱業など28業種が値上がり。電気・ガス、金属製品、医薬品など5業種は値下がりした。
個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリング、東京エレクトロンが1%超高としっかり。太陽誘電、TDK、村田製作所も堅調だった。
シャープは4%超高と堅調。AI(人工知能)データセンター構築に向けて、KDDIなどと協業することが発表され、好感する買いが先行した。
一方、アドバンテスト、ソフトバンクグループは値下がりした。
プライム市場の騰落数は、値上がり963銘柄(58%)に対し、値下がりが606銘柄(36%)、変わらずが76銘柄(4%)だった。
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