- 2024/05/30 掲載
EU、決算発表控えたアナリストへの情報共有巡り企業に警告
[ロンドン 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州証券市場監督機構(ESMA)は29日、企業に対し、株価に影響を及ぼす情報を財務諸表発表前に外部アナリストと共有しないよう警告した。ESMAがこうした警告を出すの初めて。
ESMAは企業が財務諸表の発表前に一部のアナリスト向けに開く説明会「プレクローズ・コール」について、市場濫用を防止するためのEU法に留意すべきだと指摘。
「プレクローズ・コールには不注意で内部情報を違法開示してしまうリスクがあると考えられる。こうした説明会が公表されず、提供された情報の記録がないため、そうしたリスクが高まる」とし「プレクローズ・コールでは内部情報以外の情報のみを共有すべきだ」としている。
その上で、企業に対し(1)今後のコールの予定を公表する(2)コールで使用した資料をウェブサイト上で同時に公開する(3)コールを録音し、要請があれば規制当局に提出する(4)開示した情報の記録を保持する──ことを推奨した。
ロイターは昨年10月、独自動車大手ポルシェのプレクローズ・コールが「中立的からポジティブ」な内容だったと証券会社が指摘したことを受けて、同社の株価が上昇したと報道。
また、今年1月には同業フォルクスワーゲン(VW)の株価が急騰したが、市場関係者は決算発表前のプレクローズ・コールと関係があったと指摘した。
両社は29日、「プレクローズ・コールは上場企業の間で確立されたフォーマットで、いわゆる沈黙(ブラックアウト)期間に先立って重要な公開情報を全ての市場参加者に同時に提供するものだ」と表明した。
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