- 2024/05/29 掲載
豪4月CPIは5カ月ぶり高い伸び、利上げ警戒感高まる
Stella Qiu
[シドニー 29日 ロイター] - オーストラリア統計局が29日発表した4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.6%と3月の3.5%から予想外に加速し、5カ月ぶりの高水準となった。
ガソリン価格上昇や医療費、休暇関連コストの増加が一因。市場予想は3.4%上昇だった。オーストラリア準備銀行(中央銀行)の次の一手が利上げになるリスクが高まった。
コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値も前年比4.1%上昇と前月の4.0%上昇から加速した。
変動の大きい品目と旅行を除いたCPI上昇率は前年比4.1%で、前月から変わらずだった。
統計を受けて豪ドルは0.1%上昇。市場が織り込む9月の25ベーシスポイント(bp)利上げの確率は12%から17%にやや上昇した。一方、利下げは来年8月か9月以降との見方は変わっていない。
統計局の物価統計責任者は「インフレ率はここ5カ月間、比較的安定しているが、前年比の上昇が小幅に加速したのは2カ月連続だ」と述べた。
四半期の最初の月に当たる4月のCPIはモノの価格に偏っており、粘着的な傾向があるさまざまなサービスの価格変動を捉えていない点も当局者の判断を複雑にする。
中銀は第1・四半期CPIが予想を上回ったことを受け、インフレリスクがやや高まったとの認識を示しつつも、金融政策の「過度の微調整」は避ける意向を表明している。
4月のCPIは前月比では0.7%上昇。衣料・履物(4%上昇)や医療費(2%上昇)が押し上げ要因となった。
旅行・宿泊料金は4.6%上昇。イースター(復活祭)や学校の休暇に伴い海外旅行需要が高まり、今年初めて前月比で上昇した。
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