- 2024/05/28 掲載
国債先物は続落、長期金利12年ぶり高水準1.035% 軟調地合い続く
[東京 28日 ロイター] - 国債先物中心限月6月限は前営業日比2銭安の143円50銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5bp上昇の1.035%と、2012年4月以来12年ぶりの高水準。日銀による早期の金融正常化観測を背景に国債先物は軟調地合いが続いた。弱めの10年クライメート・トランジション国債入札も相場の重しとなった。
国債先物は買いが先行して始まった後は小動きで推移。その後、現物市場で長期や超長期ゾーンを中心に金利上昇圧力がかかり、先物にもその流れが波及しマイナス圏に転じた。
10年クライメート・トランジション国債入札は弱めと受け止められた。市場関係者によると「投資家の札は入っていた」(国内証券債券セールス担当)ものの、最高落札利回りは1.040%と、新発10年債利回りの前引け水準(1.035%)を上回るなど「リスクプレミアムが求められた格好となった」(同)という。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア債券ストラテジスト、鶴田啓介氏は金利先高観に加えて「流動性の低さや日銀の国債買い入れの対象となるか不透明なことも意識され、弱めの結果につながった」とみる。
入札結果を受けて、国債先物は弱含んだ。ヘッジ目的の売りが出たとみられるほか、「現行の金利水準では買いを控えるという投資家の弱気姿勢など地合いの悪さも意識されやすい」(鶴田氏)という。ただ、発行額が大きくなかったこともあり、相場への影響は限られ、取引終盤にかけて先物は徐々に下げ幅を縮小した。
現物市場で新発国債利回りはまちまち。2年債は同0.5bp上昇の0.350%。5年債は一時0.600%と11年以来の高水準を付けた後、同0.5bp低下の0.590%、20年債は一時1.875%と11年以来の水準まで上昇した後、同0.5bp低下の1.855%。30年債は同1.5bp上昇の2.185%と11年以来の高水準。40年債は同1.5bp上昇の2.335%。
市場では「(前日の内田真一日銀副総裁の基調講演を)タカ派的な解釈として受け止める向きが多く、金利先高観につなげる傾向が出てきていることを踏まえるとそれだけ地合いが悪い証拠」(前出の国内証券債券セールス担当)とし、6月の日銀の金融政策決定会合結果を見極めるまでは「投資家の動きは鈍い状況が続きそうだ」(同)との声が聞かれた。
短期金融市場で無担保コール翌日物の加重平均レートは、前営業日(0.078%)から横ばい圏の見通し。「地銀を中心に市場参加者の調達ニーズは一段と強まっている」(国内金融機関)の声が聞かれた。
大阪取引所のTONA3カ月金利先物の6月限(最終取引月は24年9月)は同横ばいの99.8600。
TRADEWEB
0 OFFER BID 前日比 時間
2年 0.342 0.351 0.006 15:15
5年 0.587 0.596 0.001 15:15
10年 1.028 1.035 0.01 15:15
20年 1.851 1.861 -0.004 15:15
30年 2.179 2.192 0.016 15:15
40年 2.33 2.339 0.014 15:08
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