• 2024/05/02 掲載

米地銀NYCB、向こう2年の利益見通しが予想大幅に上回る

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Niket Nishant

[1日 ロイター] - 米中堅地銀ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)が1日に発表した来年と2026年の利益見通しは市場予想を大幅に上回り、50億ドルの資産売却計画が実現に近づいていることも明らかにした。

これを受けてNYCBに対する市場の信頼感が持ち直し、減配と商業用不動産向け融資に関連した予想外の損失報告をきっかけに1月以降で70%近く下落していた株価は27%弱反発した。第1・四半期の赤字計上も、悪材料視されなかった。

4月に就任したジョセフ・オッティング最高経営責任者(CEO)は「向こう2年にかけて収益を確保できるはっきりとした道筋がある」と語り、今後の経営計画を提示。中期的な目標の一つとして融資ポートフォリオの多様化を挙げ、数日中には資産売却を発表する可能性があると付け加えた。

空室率の上昇や借り入れコスト増大で収益基盤が揺らいでいる商業用不動産向け融資については、3月末時点の残高470億ドル弱を300億ドル前後まで圧縮することを目指すという。

NYCBが示した来年の1株利益見通しは0.35―0.40ドル、26年は0.50―0.60ドル。LSEGのデータに基づくアナリスト予想平均はそれぞれ0.28ドルと0.36ドルだった。

パイパー・サンドラーのアナリストチームは、こうした経営計画が分かりやすく、実行に際して大きな負担感を伴わない点を評価し、NYCBの投資判断を「中立」から「オーバーウエート」に引き上げた。

3月末の預金残高は749億ドルで、昨年末の815億ドルから減少。保険対象にならない預金は全体の16%と、同規模の銀行としては最低水準にとどまっている。

シティグループのアナリスト、ベンジャミン・ガーリンガー氏は、預金流出が懸念されたほどの規模でなかった上に、収益力改善のための3カ年計画が正式に打ち出されたことが株価にプラスになったとの見方を示した。

第1・四半期の損益は、前年同期の20億1000万ドルの黒字から3億2700万ドルの赤字に転じた。

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