- 2024/03/31 掲載
米自動車業界団体、クリーブランドのUSスチール買収に懸念表明
[ワシントン 29日 ロイター] - 米鉄鋼大手USスチール買収を国内同業が模索する動きを巡り、大手自動車メーカーが参加する団体が29日、競争を阻害しコスト上昇につながるとしてバイデン政権に阻止するよう求めた。
USスチールは、日本製鉄による149億ドル規模の買収に同意している。しかし米国を代表する鉄鋼企業が日本企業に買われることに米国内で反発の声が上がり、バイデン大統領も3月中旬、USスチールは米国内で所有・運営される企業であり続けなければならないとし反対の姿勢を示した。
米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンサルベス最高経営責任者(CEO)は、日鉄の買収計画が白紙になれば、再び買収提案することを検討する意向を示していた。
クリーブランド・クリフスによるUSスチール買収の動きについて、ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタ自動車、フォルクスワーゲンなどが加盟する自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼッラ最高経営責任者(CEO)はホワイトハウスに宛てた書簡で「両社の統合は、自動車向けの鉄鋼の65─90%を1社が掌握することになる」と指摘。「政権が日鉄による買収に懸念を持っているのなら、代替案の影響も真剣に検討しなければならない。国内鉄鋼生産を1社に集中させる案件を検討対象にすべきでない」と述べた。
USスチールとクリーブランド・クリフスが統合すれば「電気自動車(EV)モーターとEV生産に必要な電気鋼(Eスチール)を国内で100%」支配することになるとし、「鉄鋼とEスチール両方のコストを押し上げ、最終的に米国の消費者(EVを含む)のコストを上昇させる」可能性があると警告した。
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