- 2024/03/12 掲載
午後3時のドルは上昇147円半ば、買い戻し優勢 米CPI見極め
[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(146.94/95円)から上昇し、147円半ばで推移している。日銀の正常化観測で円が買われ過ぎた反動に加え、米消費者物価指数(CPI)発表前のポジション調整でドルの買い戻しが優勢となった。
ドルは日銀の政策修正への警戒感から朝方に一時146.62円付近まで下落したが、仲値にかけては国内輸入企業による買いが入ってじり高で推移。参院財政金融委員会に出席した日銀の植田和男総裁が、3月18─19日の決定会合に向けて踏み込んだ発言をしなかったことをきっかけに一段と上昇した。米CPI発表前の持ち高調整も手伝い147円半ばまで強含んだ。
SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「(前週から)3月の日銀会合でマイナス金利解除への警戒感から円が買われ過ぎたことや6月の米利下げ観測によるドル売りが出ていた」とし、きょうの米CPI発表を控える中、いったんドルのショートカバーが入ったとみる。
足元のドル/円の水準について、「3月の日銀会合でのマイナス金利解除が織り込まれている」とあおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は指摘する。円債市場の新発10年債利回りが「0.9%を目指すなど金利上昇圧力がかかるような材料が出てくれば、(ドルは)下値サポートとして意識されている200日移動平均線の146.20円付近を下抜ける可能性が出てくる」との見方を示す。
りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏は「3月の期末前で実需による円買いフローも入りやすく、ドルの上値は重くなりやすい」と指摘。日銀のマイナス金利解除観測や6月の米利下げ観測が一段と強まれば、「一時的に145円を割れる可能性はある。ただ、すぐに押し目買いも入るとみられ、147ー148円台に水準が戻ってくるのではないか」とした。
米CPIの結果次第でドルは一時的に上下に振れやすい。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げ開始に必要な確信はそう遠くないと先週発言したことから、6月の米利下げ観測を大きく変えるような材料にはならないとの見方が優勢となっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 147.51/147.54 1.0938/1.0939 161.35/161.39
午前9時現在 146.72/146.75 1.0930/1.0931 160.39/160.40
NY午後5時 146.94/146.95 1.0926/1.0927 160.54/160.56
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