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- 2021/10/21 掲載
【初公開】DXで実現、国内最大級のミニトマト菜園はどこが「持続可能」なのか
前編はこちら(この記事は後編です)
農業の「無理と無駄」をなくすためのテクノロジー活用
「日本の農業に、新しいたねをまく」を理念に掲げ、人にやさしい、持続可能な農業を目指す「たねまき」は、従来の農業の無理や無駄を省くためにITを積極活用している。農業経営支援や研究開発を行う「たねまき」に対し、「たねまき常総」は、常総市で実際に営農を行っている。常総市が主体となり進めるアグリサイエンスバレー構想の一部である、たねまき常総の敷地は7ヘクタールにも及ぶ。このうち約1ヘクタールの敷地に、2019年12月、たねまき常総の拠点となる施設が完成した。
ハウスは、軒高6メートル、面積は約3000平方メートル。ハウスに入ると、真っ白な世界に青々としたミニトマトの蔦が天井に向かって伸びた空間が広がる。
テクノロジーの積極活用を標榜するだけあって、ハウス内外はデジタル技術の宝庫である。日射量や風、雨などを測定するセンサーが張り巡らされており、その値に応じて天窓やカーテン、ボイラーが自動で動く。
センサーはオランダの大手環境制御システム企業製の園芸用プロセスコンピュータを採用し、たとえば、どのぐらいの雨量でどのぐらい天窓を空けるのかといったしきい値は、ミニトマトに最適な環境を作れるように自社で設定している。
水やりの量もセンサーが計測した日射量によって制御されている。下の写真左側の黒いタンクは井戸水が入ったタンク。鉄分やカルシウムなどをオリジナルで調合した肥料と井戸水を混ぜ合わせて、青色の機械から、地下に張り巡らしたパイプを通して苗に水を送る仕組みだ。
このような画一的な生育環境の管理によって、収穫量は年間を通してほとんどムラがないという。収穫量の変動をなくすことは、前編で藤井氏が語ったように、労働機会を継続的に提供することにもつながる。最終的な目標は、一般的な農家の3倍程度の収穫高を目指している。現在、約7ヘクタールの敷地で施設の規模拡大プロジェクトが進んでおり、2022年度中には、日本最大級のミニトマト生産拠点として稼働を開始する見込みだ。
【次ページ】労働管理も自社でシステム化
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