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注意点(2):「モニター・プリンタ」を使うべき理由
在宅ワークだとノートPCで作業する人が多いだろう。だがモニターが小さいと顔を近づけなければならず、目に負担がかかるほか、作業効率も落ちる。できれば、大きめのモニターを接続して、作業はできるだけ大きな画面で行うようにするのが良い。これもモニターが2つあるほうが1つより作業効率が上がるという研究がある。
意外な落とし穴もある。「PCのモニターでテキストをチェックする場合と、印刷した紙でチェックする場合では、印刷した紙でチェックするほうが、明らかに目には負担がかかりません」(平松氏)。
モニター上の文字は点滅しており、目に負担がかかる。また、チェック漏れなどの、ミスにもつながりやすい。そもそもモニターを見ること自体が目に悪いので、できるだけ見る時間を減らす、あるいは長時間見ないことが重要なのだ。
可能であれば、自宅にプリンタを用意し、テキストなどのチェック作業は印刷して行うことをおすすめする。
注意点(3):在宅ワークでとりがちな「ダメな行動」
平松氏によると、オフィスでは自然と防げるが、在宅ワークだと意識しないと防げないことがあるという。それは長時間連続作業だ。「オフィスだと誰かが相談に来たり、雑談をしたり、電話がかかってきたりなど、自然と仕事の邪魔が入ります。しかし自宅だと集中できるので、気をつけないと知らないうちに長時間作業に没頭してしまうことがあります」(平松氏)。
平松氏によれば、1時間に1回ぐらいは作業をやめて目を休めるべきという。最近、若い人の間で「スマホ老眼」と呼ばれる症状が流行っている。これは長時間、スマホを見続けて目が疲れてピントを合わせる力が弱まり、老眼と同じように近くが見えにくくなったり、遠くのものがぼやけたりする症状だ。PCのモニターも見続けていると同じような症状になる。
目を休めるといっても、トイレに行ったり、水を飲みに行ったりするなど、ちょっとした休憩で良い。5分~10分も休む必要はない。何よりも、モニター画面から目を離す時間を作ることが大切なのだ。
ドライアイも長時間モニターを見つめ続けることによって引き起こされる症状だ。したがってドライアイ対策も同様で、1時間に1回の休憩を取ることとなる。その際にできるだけ多くの回数瞬きすると良い。
また、部屋の湿度を40~60%の間に保つことも重要だ。湿度計を持っている人は調整したい。空気が乾燥する冬には、加湿器が欲しいところだ。
目が疲れて一時的に視力が落ちることがある。そのまま放っておけば、視力が落ちていく一方だ。ここからは、視力回復が期待できるいくつかの対処法を紹介する。
簡単にできる3つの視力回復トレーニング
■トレーニング(1):「遠近法」
1つ目は「遠近法」と呼ばれる方法だ。目のピントを合わせる筋肉を毛様体という。問題なのは、近くばかりを見続けていると、毛様体が肩こりのように固まってしまうということだ。毛様体が固まると、若い人でも前述したスマホ老眼のような症状が出ることがある。老化で毛様体の動きが悪くなるのが老眼だ。肩こりがしそうになったら肩を回すのがよいように、毛様体も動かしてあげることが大切なのだ。
やり方は、PCのモニターから目を離して、遠くを見る。距離としては6メートル上が望ましいが、自宅では難しいかもしれない。その場合でもせめて2メートルは取りたい。遠くを5秒見て、次に近くを5秒見る。それを10セット連続で行う。1日1回でかまわない。
特に仕事終わりや、これから残業というタイミングでやるのが良い。在宅ワークとは離れるが、通勤しているときであれば、帰宅の電車の中でやることをおすすめする。窓の外を見れば自然と遠くを見ることができる。習慣化すると、仮性近視や、スマホ老眼も改善の余地がある。
■トレーニング(2):「雲霧法」
2つ目は、中ぐらいの強さの老眼鏡をかけて遠くを見る方法だ。これにより、強制的に視界をぼやけさせる方法から「雲霧法」と呼ばれる。
目のピントの調節がうまくいかないときは毛様体が緊張していることが多い。そこで、老眼鏡をかけ強制的に視界をぼやけさせると、目がピントを調整することを諦め、毛様体の緊張が解ける。こうしてピント調整機能を改善させることができる。文字を読むための老眼鏡ではないため、100円ショップで売っている老眼鏡で十分だ。
■トレーニング(3):「ガボール・アイ」
3つ目は、平松氏が自著で提唱している「ガボール・アイ」という方法だ。この方法では、ガボール・パッチという縞模様(図)を利用する。
多数のガボール・パッチの中から同じ模様を探し出すということを1日3分以上、できれば10分行うのが良い。1~2週間続けると効果が出てくるので、安定してきたら週1回の実施で良い。平松氏は、「書籍では同じ模様を探すワークを多数紹介していますが、重要なのはガボール・パッチを見ることです。それによって、目よりも脳が活性化されて、処理能力が向上し、視力の回復につながるのです」と語る。
脳に働きかけるので、近視にも遠視にも老眼にも効果がある。平松氏によれば、だいたい0.100.2の視力向上が見られるという。また若い人のほうが効果はあるが、40代、50代ならまだ回復可能だそうだ。
ドライアイに効果のある「マッサージ」
最後に、視力を落とさないために目をケアする方法をいくつか紹介しよう。
まず目を温めること。市販のホットアイマスクを使用しても良い。また入浴時にお湯で温めたタオルで目を覆うのも良い。この場合はタオルが冷めるまで続けるのが、時間的にはちょうどいい。手を10回こすって温めて、手をカップ上にして目の上を覆うのも良い。
目を温めることは、ドライアイにも効果がある。実はドライアイは涙が出ていないことよりも、涙の質が悪くて目が潤わないことが原因であることが多い。温めることで涙の中の油が溶けて、目が潤いやすくなる。ちなみにこの油は食物由来なので、ジャンクフードをよく食べる人はドライアイになりやすいという。逆に魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸は目に良い。
目を冷やすことは、目が腫れたり、痒かったりなど急性の症状の場合は効果があるが、目のケアという意味ではあまり勧められない。また、目を洗うことは、目にゴミが入ったとき以外は、有効成分が流れてしまうことになるのでメリットは少ない。
その点、目薬は有効成分が含まれているので効果がある。ただし、防腐剤が多いものは目を傷つけることがあるので、できるだけ防腐剤が少ない製品を選ぶことが重要だ。防腐剤が含まれていても目薬は一度開けたら、1カ月程度しか持たないので注意が必要である。
ドライアイに効果のある「食事」
食品では、ルテインという天然色素が多いものが目には良い。ルテインは加齢とともに体内から失われる成分であり、不足すると白内障の原因になると言われている。野菜や果物の強い緑色はルテインによるもので、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤ、ヨモギ、ケール、ゴーヤ、アボカドなどに大量に含まれている。
「1日10mg、ほうれん草のおひたしなら2束分ぐらいを1週間取り続けると、血液中に十分な量のルテインが供給されます。それ以降は週1回10mgの摂取でかまいません」(平松氏)。一方、巷でよく言われるブルーベリーはあまり効果がないそうだ。
盛りだくさんの内容になったが、とにかく重要なことは、目を疲れさせないように心がけることだ。イスの高さを調整して、最適な角度でモニターを見よう。60分に1回はモニターから目を離し、遠くと近くを交互に見よう。濃い緑色の野菜や果物と魚を食べよう。
これらを心がけるだけでも、目のケアには十分なるはずだ。
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