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- 2017/11/10 掲載
ビットコインは滅びるのか? 早大 野口教授らがブロックチェーンの未来を大胆予想
何が違う? ビットコイン、電子マネー、銀行発行の仮想通貨
一言で「仮想通貨」といっても、その種類はさまざまだ。野口氏は、代表的な電子的な支払手段として、「電子マネー」「ビットコイン」「銀行が発行する仮想通貨」の3種類を挙げ、それぞれの相違点を以下のように説明する。
「電子マネー」「ビットコイン」「銀行が発行する仮想通貨」の相違点
・電子マネーと銀行が発行する仮想通貨には(企業や国家といった)管理主体が存在するが、ビットコインにはない。
・ビットコインと銀行が発行する仮想通貨は流通で再利用できるが、電子マネーは1回しか使用できない。
・電子マネーと銀行が発行する仮想通貨は価格が固定されているが、ビットコインは価格が変動する。
管理主体がないビットコインは、インターネット上など、パブリックなP2P(Peer to Peer)で運営され、誰でも参加できる。それにも関わらず、信頼が最も必要とされる「通貨」として取引されている点がブレークスルーなのだ。
「銀行が発行する仮想通貨もP2Pで運営されるが、これに加入する仮想通貨(の運用)には、自由に参入できない。管理主体である銀行が採用する技術は『プライベート・ブロックチェーン』と呼ばれる。これに対してビットコインは『パブリック・ブロックチェーン』だ。同じ仮想通貨でも、両者は根本的に異なる。この点が重要なポイントだろう」(野口氏)
ビットコインに次ぐ時価総額を有する仮想通貨「イーサリアム」(Ethereum)を中心に、17種類の仮想通貨取引を行うKrakenの宮口礼子氏は、取引所の立場から意見を述べた。
同氏は米国でMBAを修得したのち、ビットコインのマイクロファイナンスにおける可能性に興味を持ち、2013年にPayward(現Kraken)に参加した人物だ。
「EXONUM」と呼ばれる、世界有数のブロックチェーン・プラットフォームを提供するBitFury Groupで、取締役副会長を務めるジョージ・キクヴァッズ氏は、「ビットコインの世界には独占的なグループは存在しない。エコシステムのなかで、常に色々な議論と評価が行われているのが特徴だ。パワフルで(価値の暴落があっても)回復力が強く勢いもある」と語った。
ハードフォークとは、仮想通貨のルールを変更する際に新ルールを適用することで、以前の互換性が失われることを指す。現在問題となっている「分岐」も「ハードフォーク」の1つだ。
「システムは安全でなければならない。そのため、我々はスマートにスケールアップしたいと考えている。つまり『ゆっくりと急ぐこと』が重要だ。ビットコインの世界では、柔軟に意見を述べて投票できることが、強力なエコシステムの要素になっている」(キクヴァッズ氏)
これを受けて岡本氏も「民主的に物事が決まっていくことに、ビットコインとブロックチェーンの価値がある」との見解を示した。
【次ページ】むやみな規制がICOをだめにする
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