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- 2015/06/08 掲載
NTTドコモの戦略転換、五輪までに5G実現へ 吉澤和弘副社長が挙げる4つの「協創」事例
通信事業は競争激化、早期回復目指してテコ入れ
4月28日、NTTドコモは「中期目標に向けた新たな取り組み」を発表した。この狙いについて、「富士通フォーラム2015」に登場したNTTドコモの吉澤副社長は「市場は、顧客獲得競争から付加価値協創の時代に入った。もう不毛なキャッシュバック合戦はやめる。商品の利用価値をしっかり提供する。多くのパートナーとのコラボレーションによって、新サービスやビジネスを創出することで、スマートライフを推進したい」と述べ、基本方針の転換を強調した。同社では「通信事業」と「スマートライフ領域」という2つの分野での具体的な取り組みを強化する方針だ。
まず、通信事業の分野は現在、競合他社との激しい戦いにさらされているため、競争力をテコ入れすることで、早期回復を目指すという。
「LTEネットワークを強化し、広さ・速さ・快適さに注力する。広さとは、どこでもつながるということ。昨年度はLTE基地局を97400局に倍増した。速さも国内最速の225Mbpsになった。さらにLTEに帯域を与えて、通信が込んでもYouTubeがサクサク見られる快適さを目標としている」(吉澤副社長)
3月にサービスを開始した「PREMIUM 4G」は、2つの回線を束ねるキャリアアグリゲーションによって225Mbpsを実現した。
「さらにネットワークを高度化し、年内に300Mbps、来年度は370Mbps、その後の5Gでは2020年までに4~5Gbpで4K動画がサクサクと動くようにしたい。また5Gに向けて標準化の策定も行っている。VoLTEもスタートした。今年度中には国際ローミングや国内相互接続性のサービスを目指している」(吉澤副社長)
もう1つ、吉澤副社長は通信事業の強化策として、新たな携帯端末についても紹介した。今回の夏モデルから、Androidを採用したフィーチャーフォンや、PREMIUM 4Gに対応したスマートフォンが投入される。また、目の虹彩を使った生体認証機能を「ARROWS NX F-04G」(富士通製)で搭載した。
「この機能は単にログインだけでなく、決済にも応用したい。NTTドコモのサービス、たとえばdゲーム、dブック、dミュージック、dデリバリーなどで、コンテンツを購入する際に簡単に処理できるようにしていく」(吉澤副社長)
【次ページ】コラボレーションで実現した4つの事例
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