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- 2015/05/08 掲載
Office for iPhone/iPadはビジネスで使えるのか?Windows版との違いから理解する
Office for iPad/iPhoneとは
Office for iPad/iPhoneは、マイクロソフトが開発したiPad/iPhone対応のOfficeだ。WordやExcelなどのOfficeアプリケーションは、これまでWindowsプラットフォームで利用するのが当たり前だった。Mac版も提供されていたが、最優先されるのは常にWindows版であり、Officeの最新機能を利用するには、事実上、Windows版を利用する必要があった。しかし、状況は変わった。スマートフォン/タブレットの普及により、パソコンは絶対的なITツールではなくなった。ビジネスでもパーソナルでも、場所や状況、目的に合わせて複数のデバイスを使い分ける時代に突入したのだ。
この環境の変化にマイクロソフトも方針を転換した。従来のWindows中心主義を改め、Officeのマルチデバイス/マルチプラットフォーム化へと舵を切ったのである。その結果、誕生したのが、Office for iPad/iPhoneだ。なお、Office for iPad/iPhoneの日本での提供開始は2014年11月19日だ。翌2015年1月30日には、Android版のOfficeもリリースされている。約3ヶ月のあいだに、iOSとAndroidのOfficeが相次いでリリースされたのである。
4つの利用形態とOffice 365の機能
Office for iPad/iPhoneの利用形態は、ライセンスの有無によって大きく4つに分かれる。下図が、この分類を示したものだ。以下、各形態について整理する。Microsoftアカウント……×
Office 365の契約……×
Microsoftアカウントがなく、Office 365の契約もないユーザーだ。それでもOffice for iPad/iPhoneの無料利用、および商用利用も可能だ。ただし、できることはiPad/iPhone本体のOfficeファイルを表示することだけで、作成・編集はできない。また、Microsoftアカウントがないため、OneDriveも使えない。
Microsoftアカウント……○
Office 365の契約……×
Microsoftアカウントがあり、Office 365の契約はないタイプだ。Office for iPad/iPhoneを無料で利用できる。ファイルの閲覧だけでなく、作成・編集も可能だ。Microsoftアカウントと紐付いているOneDriveも利用できる。ただし、Office 365の機能(プレミアム機能)は利用できない(詳細は後述)。また、これが最も重要なポイントだが、商用利用はできない。認められているのは個人での利用に限られる。このため、仕事で使うならOffice 365の契約が不可欠となる。
Microsoftアカウント……×
Office 365の契約(法人)……○
企業向けのOffice 365を利用している場合だ。企業が契約し、社員にOffice 365のアカウントを割り当てるので、Microsoftアカウントは必要ない。また、OneDriveではなく企業向けのOneDrive for Businessとなる。SharePointも利用可能だ。Office for iPad/iPhoneについても、すべての機能を利用できる。なお、Office 365の法人向けプランについては、Office 365(一般法人向け)のページを参照してほしい。
Microsoftアカウント……○
Office 365の契約(個人)……○
Microsoftアカウントを持っているユーザーが、Office 365の契約をした場合がこれに該当する。個人が仕事で利用する場合は、必然的にこの選択になる。具体的には、Office 365 SoloやOffice PremiumのプレインストールPCを購入したケースになる。Office for iPad/iPhoneのすべての機能が利用できて、OneDriveも利用できる。商用利用も可能だ。なお、Office 365 Soloの場合、インストール可能な台数は次のようになっている。詳細は、Office 365 Soloのページを参照いただきたい。
・2台のPCまたはMac
・2台のタブレット(iPadおよびAndroidタブレットを含む)
・2台のスマートフォン
以上が、Office for iPad/iPhoneを利用する4つの形態となる。ビジネス+ITの読者であれば、タイプ3のOffice 365の法人向けライセンス契約が一般的になると思うが、個人で仕事用に購入した場合や小規模な企業の場合は、タイプ4の個人向けの利用もあるだろう。
いずれにしても、Office for iPad/iPhoneをビジネスで利用するなら、Office 365の契約が必要になる。なお、大学や高校などの教育機関は、別のライセンスが用意されているので、詳細はこちらを参照してほしい。
【次ページ】iOS版は、Windows版Officeと具体的に何が違うのか?
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