- 2015/01/29 掲載
オールフラッシュ初投入、日本オラクルが「Oracle Exadata X5」を発表

今やビジネスは、ソーシャルやクラウド、スマートデバイスの登場によって、さまざまな変化の波にさらされている。日本でみれば、音楽ソフトの生産は13%減、年賀状発行は2003年と比較して26%減となった。
杉原氏はこうした変化の中で「日本版の産業革命を提言していくべき。ロックインだとか抱き合わせの時代は過ぎた。今あるものを生かして、アプリケーションレイヤに人材を生かしていくべきだと思っている。赤字プロジェクトばかり抱えていると、インドなどのインテグレーターに攻め込まれてしまう」と危機感を呈した。
こうした中でオラクルも変わらなければならず、「Do-Big-Different」を掲げ、クラウドを推進。「今では SaaSの分野では世界第2位になった。今後もIaaSやPaaSでも、Database as a Serviceなど新しい取り組みをどんどん進めていく。日本でも上半期は600%ぐらい伸びた」と明かした。
また、他のクラウドサービスについては、一度入ると後戻りのできない「ごきぶりホイホイだ」と痛烈に批判。今やさまざまな製品ポートフォリオを持つ同社だが、オラクルのクラウドは「帰りたかったら帰っていいという姿勢」と強調した。
そして今回、デジタル・ディスラプション時代の企業ITインフラを支える「究極のスーパー・クラウド・システムズとして、Oracle Exadata X5を提供する」。
今回発表したOracle Exadata X5は、今回で第6世代の“データベース・マシン”製品。データベース、サーバ、ストレージ、InfiniBandネットワークなどが統合された状態で提供されるのが特徴となっている。
IDCの調査によれば、2012年時点で統合型製品の関心度は、まったくないが13.7%だったのに対し、2013年にはとても興味がある割合が60.4%まで増加。
そして、ガートナーの調査によれば、統合型システム市場ではオラクルがトップに立っており、高い成長を遂げたという。

今回新たに発表したOracle Exadata X5では、新たにオールフラッシュストレージサーバを展開。PCIeフラッシュドライブ、NVMeプロトコル、InfiniBandによる拡張性を利用することで、Oracle Exadata Database X5-2 1台で、1秒あたり最大263ギガバイトのデータスキャン帯域幅と、1秒あたり414万4000回のランダム、8KのIOPSを実現したという。
また、エラスティック構成により、必要に応じてデータベースやストレージの追加、ラック追加までシームレスに対応できる。その際、旧世代マシンにもX5サーバを追加できるという。
三澤氏が特に強調していたのが、ソフトウェア制御の点。「新バージョンで、ハードウェアのメモリが倍増しました、ということだけではない。ソフトウェアメーカーが作ったハードウェアであることが最大のメリット」。
Exafusionでは、データベースがInfiniBandによる直接アクセスを実現。OLTP処理を3倍高速化したという。これは世界初のデータベースのためのInfiniBandプロトコルだという。
また、仮想化機能では、OSによるオーバーヘッドを押さえるために、DB、OS、ハイパーバイザ、ネットワーク、そしてストレージまでが最適化を考えられているとした。
「通常の仮想環境上ではどうしても他のサーバの稼働状況に影響を受ける。しかし、Exadata X5では、ミッションクリティカルなアプリケーションAは他の影響を一切受けないように制御できる」という。
またこうした密結合とソフトウェア制御により、従来はポーリングで死んだことを確認していたものの、死んだら直接わかる、Instant Server Deathに対応。メインフレームに匹敵する高い可用性が実現できるという。
さらに、インメモリDBについても、通常DRAM(揮発性メモリ)上にある数テラにおよぶデータが失われた場合、もう一度すべてのデータをメモリ上に載せる必要があるものの、In-Memory Fault Toleranceによって、インメモリ・データを他ノードに複製することで、世界初のフォールトトレラントなインメモリDBを実現できる。
価格は、X4と同価格で提供。最小構成価格は2,390万円、フルラック構成での標準価格は、オールフラッシュ構成で1億2,000万円となっている。
文中で一部お名前の記載が誤っていました。本文は修正済みです。ご迷惑をおかけした読者ならびに関係者にお詫び申し上げます。
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