- 2014/08/12 掲載
シェア9割のVMwareが絶好調で牽引、国内仮想化ソフトウェア市場規模は23%増
バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェアとは、特定のハードウェア環境の低レベルな機能を利用する、あるいは複数のオペレーティング環境、アプリケーション、アプリケーション開発デプロイメントソフトウェア、システムインフラストラクチャソフトウェアのスタックをサポートするために、ソフトウェアを使って完全なハードウェアのエミュレーションレイヤーを提供するもの。一般的にはハイパーバイザーとしても知られており、サーバ仮想化やデスクトップ仮想化、クラウド基盤を実現するソフトウェアとなる。ここでは、有償ライセンスもしくは有償サブスクリプションで提供されるソフトウェアのみを売上額のカウント対象としている。
バーチャルクライアントコンピューティングとは、従来のデスクトップ環境を改善するための一連のソフトウェアのこと。本市場は、ネイティブ環境への分散を目的として仮想化されたユーザーインターフェースをOS内に構築するバーチャルユーザーセッションソフトウェア(一般にはプレゼンテーション仮想化と呼ばれることが多い)と、ホストのハードウェアからOSを切り離し、物理デバイス上で稼働しているOSから特定のクライアント環境を分離するためにハイパーバイザーを利用して仮想化する統合デスクトップ仮想化と、アプリケーションをカプセル化しホストOSおよびクライアント環境内で稼動しているその他のローカルなアプリケーションから分離するアプリケーション仮想化などを含むその他バーチャルクライアントから構成される。
ハイパーバイザーを含む国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場は、大手企業におけるプライベートクラウドの構築をはじめとする仮想基盤の拡張、クラウドサービスプロバイダーでの導入拡大、中堅中小企業へのサーバ仮想化の浸透などによって、2013年も非常に高い成長を達成した。
世界市場の成長率は12.4%、主要6地域(北米、中南米、西ヨーロッパ、中東欧・中東・アフリカ、日本、日本を除くアジア太平洋)の中で2012年に続き日本が最も高い成長率となった。この市場の約90%のシェアを持つVMware社が売上を大きく伸ばしたという。
IDCでは国内バーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場は2018年に845億円に達すると予測している。
クライアント仮想化ソフトウェアである国内バーチャルクライアントコンピューティング市場において、プレゼンテーション仮想化を実現するバーチャルユーザーセッション市場が約75%を占めた。2013年は前年比19.9%増と好調だった。
さらに統合デスクトップ仮想化市場は前年比23.9%増と高い成長が続いているものの、勢いがやや弱まってきている。統合デスクトップ仮想化は導入コストの高さが課題となっている。提案時はデスクトップ仮想化であったが、最終的な導入はコストの安いプレゼンテーション仮想化になるケースも増えてきており、それがバーチャルユーザーセッション市場の高成長の主要因となっているという。
バーチャルユーザーセッション市場の2013年~2018年のCAGRは8.3%、統合デスクトップ仮想化は19.7%とIDCでは予測した。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの入谷 光浩氏は「IDCが実施したユーザー調査によると、国内のサーバ仮想化を実施している企業のうちサーバ仮想化のみを実施している企業は42.6%にとどまり、それ以外はクライアントやネットワーク、ストレージの領域に対しても仮想化を実施している。この結果から、仮想化をITインフラ全体に適用していく需要が高まっていることが分かる。ベンダーやシステムインテグレーターは単なるサーバ仮想化案件に終わらせるのではなく、他の領域にも仮想化を適用することで仮想化の効果を最大限に発揮できるような仮想化統合ソリューションを展開していくべきである」と述べている。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内システムソフトウェア市場 2013年の分析と2014年~2018年の予測」(J14350103)にその詳細が報告されている。
関連コンテンツ
PR
PR
PR