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- 2013/06/06 掲載
夏野剛氏:個人に力を与えた3つのIT革命、それを活かす企業や組織はどうあるべきか
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個人に絶大なパワーを与えた3つのIT革命
「100人のエリート社員集団に、たった1人の“オタク”が勝ってしまう。すなわち組織と個人のパワーバランスの逆転が起こっている」と語るのは、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 客員教授の夏野剛氏である。
夏野氏は、NTTドコモにおいて「iモード」や「おサイフケータイ」など、数多くのサービスを立ち上げてきたことで知られる人物だ。2001年には、ビジネスウィーク誌にて世界のeビジネスリーダー25人の1人に選ばれた。現在は同大学院で教鞭をとる一方、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、グリーなど複数の企業で社外取締役を務めており、ITやマーケティング分野の第一人者として活躍の幅をますます広げている。
スマートフォン & モバイルEXPO 2013の特別講演に登壇した夏野氏は、インターネットを中心とするITが、経済・社会・政治・企業経営など、社会全体の根幹に大きな影響を与え続けている革命を、次の3つの視点から語る。
第1は、ビジネスの「効率革命」だ。たとえば現在、国内航空券の予約・販売の約75%はWebで行われており、従来の主流であった旅行代理店での店頭販売といった業態はすっかり様変わりした。一般ビジネスでも、多くの社員がスマートデバイスを持ち歩いて活動しており、場所や時間に縛られないワークスタイルが確立されつつある。
第2が、Googleによってもたらされた「検索革命」だ。
「これまで何らかの専門知識や情報を得るためには、企業や研究機関などの組織に所属するしか方法がなかった。ところが現在は、アマチュアでも3日間くらい“ググ”れば、その分野の専門家になれてしまう。」(夏野氏)
実際、3.11東日本大震災で起こった原発事故では、数多くの“にわか原子炉専門家”が出現。翌12日には早くもメルトダウンが起こっている可能性を指摘するなど、政府を圧倒的に上回るスピードで情報収集能力と分析力を見せつけた。
第3が、2010年以降の「ソーシャル革命」だ。ツイッターやFacebookに代表されるソーシャルサービスが、個人の情報発信能力をかつてないレベルに高めたのである。
「たとえば私のツイッターには、約13万人のフォロワーがいる。これは決して特別なことではなく、1000人以上のフォロワーを持っている人はザラにいる。政治家でもない単なる個人が1000人以上と意識を共有するなど、今までは考えられなかったこと。」(夏野氏)
今日の企業における問題は、こうした絶大なパワーを持ち始めた個人の能力を最大限に活かせているかどうかだ。
【次ページ】個人能力を活かす企業や組織はどうあるべきか
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