- 2011/10/25 掲載
「汎用的なERPの時代は終わった」インフォア、13種の業界・業種特化型のERPを発表
Infor10の開発にあたり、米インフォア マーケティング&ストラテジー担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのディーン・ヘイガー氏は、1.完全な業界特化型アプリケーションとすること、2.仕事の仕方を変えてしまうこと、3.エンジニアリングを高いスピードを提供する、という3つの“法則”を採用したことを強調。
「ジェネリックな(汎用的な)ERPの時代は終わった。こうしたERPは企業を枠組みの中に閉じこめてしまっていた」(ヘイガー氏)
Infor10では、航空宇宙・防衛、自動車、化学、流通、機器サービス・レンタル、ファッション・アパレル、食品・飲料、製造業、ヘルスケア、ハイテク、ホスピタリティ(ホテル・娯楽)、産業機器・機械、公共事業・自治体の13種の業界別ソリューションを提供。それぞれの業務に必要なシステムを、100種以上のパッケージから選択して提供する。
リスクの多い導入につながる広範囲のカスタマイズをなくすことを目指し、通常ソフトウェアの展開に行われていたことをパッケージに組み込むことで、インテグレーションの必要性とコストを最小化した。
「米国の病院と、日本の東京の製造業に共通するものはまったくない。にもかかわらず、従来は同じアプリケーションを強要していた。それではシステム導入の価値は減じられ、顧客は不満を感じる。導入スピードも遅くなる」(ヘイガー氏)
今回提供されるInfor10で中核となるコンポーネントがIntelligent Open Network(ION)と呼ばれるもの。これはESB(Enterprise Service Bus)のような動きをするものとなるが、3つの点でESBとは異なるという。1つめは軽量で15分未満で導入が行える点、2つめはXMLのビジネスドキュメント形式で連携するため、相互接続性の専門知識を必要としない点、3つめがスタンダードなRDBMS(Business Vault)に統合データベースを持つことができる点だ。
また、Infor10では、「コンシュマー向け製品では革新が進んでいるにもかかわらず、エンタープライズには取り込めていない」として、ユーザー体験(UX)も改善。Webブラウザベースのワークフローシステムや、iPadなどのモビリティ対応、ソーシャルメディアサービスのようなインターフェイスを実現した。
実際のホーム画面は、Facebookと同じようなコラボレーティブなデザインを採用。画面上に表示している情報と関連する構造データ、非構造データをスムーズに見ることができるという。
さらに、クラウドオプションも用意。クラウド環境での利用を可能にするとともに、オンプレミスへの移行もサポート。「クラウドでやってみたもののダメだった場合にはすぐに自社サーバに載せ換えることができる」とした。
日本では、中核となるミドルウェア「ION Suite」のほか、「Infor10 ERP Enterprise(旧名Infor ERP LN、Baan)」と「Infor10 ERP Business(旧名Infor ERP SyteLine)」を本日より提供。業界特化型スイートは、自動車向けは提供できるが一部のコンポーネントの日本語化は来年に向けて順次提供されていくという。また、本製品発表に合わせて、大阪の自動車部品開発を手がけるダイヤモンド電機が同社製品のうち、「Infor10 ERP Enterprise」と業績管理システム「Infor10 CPM(旧名 Infor PM10)」を採用し、2012年の本番稼働を目指していることを発表した。買収したLAWSON製品は、来年をめどに提供するとしている。
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