- 2011/10/27 掲載
現場による“カイゼン”を促す運用管理、長年の課題から脱却する真の解決策とは
ますます複雑化するITシステムと終わりのないシステム運用管理

システム基盤ソフトウェア事業部
技術1部 部長
蝦名裕史 氏
ただ昨今では、仮想環境と物理環境の混在、クラウドと社内システムの連携、プラットフォームの多様化、スマホ/タブレット利用に伴う端末管理の拡大など、運用管理の負荷は増えるばかりではないだろうか。
こうした中でも、長引く不景気や相次ぐ天災によって、コスト削減圧力も高いだけでなく、従来はITサービスを提供していなかったユーザー企業も、新規ビジネスで参入するケースも相次ぎ、IT部門の投資対効果もより一層求められるようになってきた。
これらのテーマは間違いなく重要な問題ではあるが、昨今の運用管理の課題に一石を投じるのが、これまで長きに渡り、企業のITサービスマネジメントに取り組んできたアシストだ。
「確かに仮想化やクラウドによって、運用管理が複雑化し、運用管理部門の負荷が増大しているのは間違いありません。しかし、これまでもITプラットフォームや技術の変遷があり、その都度、企業ではシステムを安全に稼動するための取り組みを図ってきました。何より重要なことは、いかにITサービスマネジメントの品質を高め、より高度な取り組みへと移行しているのか、さらにそれを継続的な取り組みとして発展させていく長期的な視点ではないでしょうか。」(アシスト 蝦名裕史 氏)
もちろんシステム運用管理者なら誰しも知るように、運用管理の“お手本”ともいうべきものがある。その1つが「ITIL」だろう。運用管理の代表的なベストプラクティスとして活用する企業も多く、これに準拠した製品も少なくない。一方で、ITILをうまく使いこなせない企業がいるのも事実だ。これについて蝦名氏は次のように説明する。
「ITILが非常に優れたベストプラクティスなのは間違いなく、運用管理はまずこれを前提に考える必要があると思います。一方で、ITILの基本的な考え方は、デザインから入り、制度設計をして、人をアサインして、会社ぐるみで取り組むというトップダウンのアプローチです。そのため、どうしても大がかりになり、成果が出るまでに時間を要し、十分な成果が得られないまま頓挫するケースも目の当たりにしてきました。トップダウン型の取り組みは日本企業の文化と必ずしも適合していない面もあり、実際現場でお手伝いする中には、ITILをどう咀嚼して自社に適用していけばよいのかということに悩まれる担当者も少なくありませんでした。」(蝦名氏)
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