伊藤忠商事、中国の繊維大手企業グループと資本提携　華北地域を基点とした事業拡大へ

　伊藤忠商事と伊藤忠（中国）集団有限公司は、中国繊維大手企業グループである山東如意科技集団有限公司の株式を取得することについて合意し、中国山東省済寧市において契約締結の調印式を行った。この株式取得により山東如意科技集団有限公司は、伊藤忠商事の持分法適用関連会社（出資比率30％）となる。

　山東如意科技集団有限公司は、1972年に国営毛紡績工場として設立され、2001年に民営化されて以降発展した中国繊維総合企業集団大手の一社。伊藤忠商事と山東如意科技集団有限公司は、1990年代に豪州原毛の取引を開始し、2000年代に入ると高級毛織服地の対日・対米取引を行ってきた。山東如意科技集団有限公司では、中国国内市場での成功および国際市場への進出のため、信頼できるパートナーとの協業による体制確立を目的とし、昨年来、伊藤忠商事との資本提携を検討してきたという。

　今後伊藤忠商事は、川上事業のグローバルオペレーションの展開、製品縫製事業の技術力向上と活用、ブランドビジネスの開発など中国内販市場への販売強化を進めていく予定だ。今回の資本提携は、2009年に華東地域で実施した杉杉集団有限公司への出資に引き続き、華北地域を基点とした中国における伊藤忠商事の積極的拡大戦略の一つと位置づけられている。