NECは、イタリア大手電力会社ENEL SpAの関連会社であるENEL Distribuzione（以下、ENEL）と、スマートグリッドの実現に向けた新しい技術やソリューションの共同開発を行うための戦略的提携関係を構築することに合意した。

　ENELは、スマートメーターやAMI（Advanced Metering Infrastructure）のインフラ開発を2001年から行っている、スマートグリッド技術や同事業の開発における先端企業。本提携は、両社共同で、蓄電システムを中心とした先進的かつ効率的なソリューションを開発し、実証実験を行うものだ。この提携に基づき、両社は、NECが開発したリチウムイオン電池とENELの配電網を組み合わせたエネルギーソリューションシステムを構築し、試験的なプロジェクトをイタリアで行う予定となっている。また、両社はそれぞれの技術や資産を活用し、共同でスマートグリッド、スマートシティの実現に向けたさまざまなソリューションの評価、分析を行った上で、最初にイタリア国内へ展開する予定だ。

　今回の合意は、スマートグリッドの開発プロジェクトを所轄しているイタリア経済省の同席のもとで行われた。同省は、スマートグリッドの実証実験をイタリア国内企業と共同で実施しており、近年、本領域においてICTと蓄電技術を持つNECとの提携の可能性について検討していたという。また、本提携はスマートシティの構築技術の開発までを含んでおり、両社はこの成果を、現在ENELがすでにいくつかの自治体と実施している、電気自動車の普及やエネルギー利用の効率化に関するスマートシティプロジェクトに反映させる方針だ。