- 2009/12/09 掲載
【古川健介氏・和田修一氏インタビュー】“WEB2.0時代のCGM”「ナナピ」のおもしろさ
――古川さんが株式会社ロケットスタートを立ち上げたのは2007年12月ですが、これはどういったいきさつがあったのでしょうか?
古川氏■もともと僕は19歳の頃に受験生コミュニティの「ミルクカフェ」を立ち上げて、大学生の頃に「したらばJBBS」を運営する株式会社メディアクリップを立ち上げました。その会社が一段落した後、大学を卒業してリクルートに入社したのですが、その頃のインターネット仲間とはつながりが続いていて、いつかみんなでウェブサイトを作る会社を作ろう、という話をしていたんです。それで、みんなのタイミングが合ったのが、2007年12月だったということですね。
当初は僕も含めて全員、副業として会社に参加してもらっていたのですが、僕がリクルートを退社してロケットスタートに専念したのが2009年5月です。会社を立ち上げるのって、ぜんぜんリスクはなかったですよ。今は資本金がいらないので、登記料の20万円さえ払えば、あとは法人税が年間数万円ぐらいしかかからないんです。会社を作ることって、別にすごいことではないんです。大変さでいったら銀行口座を作るような感覚です(笑)。
古川健介氏 |
古川氏■そのときは、尖ったインターネットサービスをたくさん作っていこう、と考えていました。矢野(さとる)さんも当初のメンバーです。他にも3人ほどメンバーがいましたが、基本的にはそれぞれがバラバラのことをしていましたね。あまり一緒にやっている意味はなかったかもしれない(笑)。そんな状態で1年ぐらいやっていたのですが、たくさんサービスを作ってもそれぞれの力が弱まってしまうと感じていたので、ならば1本に絞ろうということで「ナナピ」を始めました。
そのとき考えていたのは、「組織じゃないと成り立たないものをやろう」ということです。個人で作ったサイトだと継続力が弱いし、個人レベルでアイデアや能力を比べたら、もう僕らは中学生にだってかないっこない。そこで勝負してもダメだな、と感じていたんです。
和田氏■僕はそうは思わないけどね(笑)。
――古川さんや和田さんの時代に苦労して作りあげてきたインフラが、今の中学生たちには最初から用意されていますからね。
古川氏■個人サイトレベルなら、やる気と時間がある人が一番強いでしょう。だから組織を作って、組織力で勝負しようと思ったんです。
和田修一氏 |
和田氏■いや、あまり悩まないタイプなので(笑)。ちょっとは葛藤もあったんですが、もともと自由に働きたいという気持ちと、自分が作ったと誇れるものを持ちたいという想いが強かったんです。台湾の楽天市場を作っていたんですが、自分がコアになって作ったわけではありませんからね。
――「ナナピ」が立ち上がったのは、2009年9月1日とのことですが、アイデアはいつ頃からあったんでしょうか?
古川氏■2009年6月に僕と和田の2人で会社を続けていくことになったとき、たまたま友達が「Howtoのサイトを作りたい」と言ってきたんです。ちょうど、会社で何をやるか決まっていない時期で、いいキッカケだと思ったので、ではそれをやりましょう、と。
こう言ってはなんですが、HowtoのCGMサイトをやろうというアイデア自体はたいしたことはないんです。Howtoサイトも、CGMサイトも2000年より前からありましたからね。ただ、大切なのはアイデアじゃなくて、サイトの仕立て、手触りだと思うんです。アイデア一発のサイトなら中学生でも1カ月ぐらいかければ作ることができますが、そのサイトが大勢の人に利用されるかどうかは別問題ですよね。やっぱり、しっかりと作ってあるかどうかが大事なんです。その勝負なら僕たちは負けるつもりはありませんし、ちゃんとした仕立てのサイトを作ろうという気持ちが「ナナピ」の原動力ですね。記事の幅は何ピクセルがいいんだろうか、などというところに徹底的にこだわって作っています。
和田氏■僕は記事の表示速度に非常にこだわりました。「ナナピ」の場合は、記事の表示速度をとにかく速くしたかったんです。
古川氏■そういう部分って、ユーザーはあまり意識しないかもしれませんが、やはり記事の表示が遅かったりすればストレスを感じているはずなんです。そのあたりにこだわれば、単にアイデアが優れているだけのサイトとはレベルの違うものができると思います。
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