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- 2009/06/22 掲載
「サーバには手を出さない」SANとIPの統合でデータセンターに新しい価値を--ブロケード アブデルハリム氏
データセンター、ISP、エンタープライズ領域に注力
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新生ブロケードがフォーカスするのは、データセンター、エンタープライズ、サービスプロバイダの3つの市場セグメントです。そして、これら3つのセグメントでそれぞれ求められる要件に対応する最適な製品を提供することをミッションとしており、今回新たに発表したのが「Brocade TurboIron 24X Switch」と「ServerIron ADX Application Delivery Controllers」「Brocade FastIron CX Series Switches」の3製品です。
新製品をみていただけるとわかると思いますが、ファウンドリーの買収によって、現在のブロケードでは2つの企業文化がベストなものを維持できたと考えています。それぞれが補完的な役割を持って、お客様に提供できています。
──3つのセグメントに分けてお考えということですが、データセンターでの最近の動きをどのようにみていますか?
Webアプリケーションの増加、モバイル利用の拡大などを通じて、急速にトラフィックが上昇しています。こうした中、2007年頃からデータセンターを統合的に管理する流れが出てきました。これには2つの大きなポイントがあります。1つは仮想マシンと物理マシンのコンバージェンスです。もう1つはラックスペースの節約、つまり面積あたりのパフォーマンスの向上です。
仮想化については、サーバの仮想化を中心に話題を集めていますが、SimpleVLANをはじめ、MPLSやVPLSなどネットワーク世界での仮想化も重要なトレンドです。スイッチやルーターなどを統合して、自動的に連携できるようなネットワークを展開する「NIaaS(Network Infrastructure as a Service)」といった言葉も生まれてきています。
──エンタープライズの分野ではどのようなことが起きているのでしょうか?
最近のブロケードの事例ですが、とある大学において構築していたネットワークを、その大学所属の病院、つまり大学病院において利用したいという要望がありました。教育機関としての大学において求められるネットワークのレベルと、高いセキュリティを求められる病院のネットワークは、明らかに要件が異なります。しかし、同じネットワークを(仮想的に)分離することで、こうした要求に応えることができました。
──企業におけるネットワークとストレージの利用について、「プライベートクラウド」という言葉も生まれていますが、これをどのようにみていますか?
私なりに解釈している点として、1つは物理的なリソースを統合するということ、そしてもう一つは論理的にリソースを統合することの2つのアプローチがあると考えています。ただ、その違いにかかわらず、地理的な制約が外され、あたかも1つのシステムとして構築されていることがポイントです。このとき重要なことは、コネクティビティに尽きると思います。
──サービスプロバイダでは何か大きな流れはあるでしょうか?日本ではIPv4の枯渇問題が注目されていますが、米国ではどうでしょうか?
IPv4枯渇の問題は、日本をはじめ、アジア圏を中心に広がりを見せていますが、米国ではIPアドレスの割り振りの都合上、現状では喫緊の課題とはなっていません。しかし、多様なデバイスがネットワークにつながっていく中で、大きな問題であるという認識は広がっています。中でも、ケーブルTV局や通信業、IPTVなどを営む企業での注目度が高く、問題の意識はISPなどから大企業などのユーザー側に移り変わっている印象があります。この問題については、IPv4が枯渇してしまえば、新規にIPアドレスを取得する企業や事業者は、IPv6上でとらざるをえません。徐々に移り変わっていくのではないでしょうか。
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