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- 2024/07/27 掲載
「メダルも視野だった」宮田選手が五輪出場辞退、スポーツにおける「罰」が与える影響
連載:小倉健一の最新ビジネストレンド
賛否両論を呼んだ「メダル候補」の辞退
体操女子日本代表について、選手としてロンドン五輪に出場した田中理恵さんは以前、以下のように語っていた。「日本の美しい体操は必ず高い評価を得られるでしょう。宮田を軸にミスなく演技すれば、団体のメダルは夢ではないと思います」どういう経緯をたどったのかはわからない部分があるが、結果として有望なメダル候補を辞退させることになった日本体操協会のとった行動に対して、賛否両論が巻き起こっている。
団体規律の観点から、五輪に出場できない処分が妥当だとするのが、橋下徹氏だ。橋下氏はXに以下のように投稿している。
「たとえば合宿所に他人を連れ込まない、異性の部屋に行かないなど、法律違反にもならないことがいくつもあります。もちろんやり過ぎはあかんけど、4月にはハンドボールの代表選手が合宿所に他人を連れ込んで活動停止処分になった。俺はこの処分は妥当という考え。団体規律=団体活動の場における規律をどこまで求めるかというところでの考えの違いやね」罰とは、権威ある人物・組織が不適切な行動に対して刺激(注意する、怒る、腕立て伏せをさせる、叩く)を与えたり、スポーツへの参加を中止させたりすることで、その行動が繰り返される可能性を減らそうとするものだ。
「今回の件は宮田さんが成人になったとしても代表は辞退となるでしょう。未成年の喫煙・飲酒が問題なのではなく、団体活動の場であるトレーニングセンター内での飲酒が問題なのです。ここは未成年・成年関係のない団体規律違反です」(7月21日)
規律を守るための「罰」は間違っている?
橋下氏は規律を守るために、懲罰を与えることに躊躇がないようだが、著名なスポーツ論文ではその指摘が誤っていることが示唆されている。「若者を罰することの負の結果は十分に立証されており、大人と子どもの関係の障害、道徳的価値を内面化する能力の低下、自尊心の低下、反社会的行動、紛争解決のための戦略としての身体的攻撃の正常化などが含まれる」この論文は全体を通して、指導者たちは何も考えていないけど、成長を促す指導とただの懲罰をごっちゃにすると、罰を与えられた側は、やる気をなくして悪い方向にしかいかないよ、といいたいのだ。そして、そんな何も考えてない懲罰をすることではなく、次のようなアプローチを取れと結論づけている。 【次ページ】「罰」の代わりに“取るべきだった”アプローチ方法とは?
「研究者は、望ましくない行動(たとえば、不良な態度、遅刻、不十分なパフォーマンス)の結果として、過度の運動(たとえば、力尽きるまで腕立て伏せや短距離走)、怒鳴る、ベンチに置く(すなわち、出場機会の除去)など、スポーツで使用される一般的な罰の形態を調査している。全体として、これらの懲罰方法は、疲労、怪我、自己に対する否定的な認識、スポーツ関係の悪化、学習障害、プレーを続ける意欲の欠如など、青少年アスリートにとってマイナスの結果と関連している」
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