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いまや「DX」や「生成AI」という言葉を聞かない日はない。それほど広く認知され、企業活動で重要視されている。そんなDXと生成AI、またそれに付随するセキュリティ対策の具体的な取り組みの中身や活用状況は、実際のところどうなっているのだろうか。ビジネス+IT 編集部では、会員302名を対象にアンケートを実施し、その最新動向を調査・分析した。記事末尾には、無料でダウンロードできる調査結果のグラフをまとめたPDFデータ資料もご用意しているのでぜひご活用いただきたい。
調査概要
期間:3月3日~3月15日
調査方法:インターネット調査
質問数:計9問
調査対象:ビジネス+IT会員
回答数:302人
属性:「情報通信電気」「情報サービス」「機械製造・材料系製造」で約45%。職種は「研究・開発」「営業・販売」「情報システム(開発)」で約45%。
「2025年の崖」まで残り1年…DX・生成AIなどの最新状況は?
経済産業省が2018年9月に公表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』で初めて「2025年の崖」という言葉が登場した。さまざまな課題を抱えるレガシーなITシステムを放置すれば、DXの推進はもちろん、年間で最大12兆円の経済的損失が発生することを警告した言葉だが、そのキャッチーな表現も相まって「2025年の崖」「DX」という言葉はその後、広く認知されることとなった。
その間にはテクノロジーも急速に進化した。とりわけ、2022年11月30日に一般公開されたChatGPTのインパクトはすさまじく、その後の生成AIの熱狂は言うまでもない。
では、2025年の崖まで1年を切った2024年現在、企業におけるDX、そして生成AIへの取り組みはどのような状況にあるのか。
【DX】圧倒的に関心度高い「データ活用」「AI・生成AI活用」
調査では、DXへの意識を確認するため、次のような質問を用意した。
---質問------------------------------
所属組織で最もDXを進めたい領域は何ですか(1つ選択)
---------------------------------------
結果のトップ3は次の通りだ。
- データ分析(19.2%)
- 設計・開発(16.9%)
- 営業(13.9%)
- 現場業務(工場、店舗、工事、物流など)(13.9%)
回答者の所属部門に強く依存する質問にもかかわらず「データ分析」が1位となったのは、「データ分析」が部門を問わず重要なテーマとなっているからだろう。そして、回答者自身の興味・関心を知るための質問が次だ。
---質問------------------------------
あなたがDX・デジタル化で興味のあるテーマは何ですか?(最大3つまで選択可)
---------------------------------------
結果の上位3つは、次の通りである。
- AI活用・生成AI活用(26.5%)
- データ収集・連携・活用・分析(14.9%)
- 業界別のDX(14.4%)
複数回答が可能な質問だが、全回答者のうち3分の2以上が「AI活用・生成AI活用」を選択したのは、生成AIへの高い関心が続いていることを示している。また、2位の「データ収集・連携・活用・分析」は、1つ目の質問で1位となった「データ分析」と強い関連がありそうだ。
なお、業種別のクロス集計を行った結果、「AI活用・生成AI活用」と「データ収集・連携・活用・分析」は、業種を問わず高かった。
また、3位の「業界別DX」は、特に建設や医療・福祉・病院、小売・飲食などの回答者の割合が多かった。これらは、全回答者に占める属性割合は低いものの、とりわけ人手不足や低い生産性などが問題視され、業界固有の課題も多いため、デジタルやDXへの期待が高いのではないかと推測される。
意外だったのは、「DX人材の確保・育成」の票数がそれほど伸びなかった点だ。人手不足が叫ばれる製造業でもそれほど高くはなく、あえて言えば、中央官庁・地方公共団体で「DX人材の確保・育成」に関心を示す割合が高いという結果だった。
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