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- 2006/11/22 掲載
急成長企業50社に見る「持続的高成長のための3つのチェックポイント」--SOZO工房太田氏
私たちSOZO工房は、監査法人トーマツさまが先進企業50社を表彰する「2006デロイトトウシュトーマツ日本テクノロジーFast50」のプログラムをお手伝いさせて頂きました。トーマツさまから委託を受けて、受賞企業の経営者の方にお願いしたアンケート結果を集計する過程で、いくつかの興味深い傾向が見てとれました。ここでは、そのいくつかをハイライトするとともに、これを踏まえて、皆さま方の会社を今後とも大きく成長させて頂くためのヒントについてお話ししたいと思います。題しまして「持続的高成長のための3つのチェックポイント」です。
図1のグラフは、最大の経営課題というテーマで経営者の方にお願いしたアンケート結果を集計したものです。2006年と2005年を比較すると明確な傾向が表れていると思われます。
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図1 最大の経営課題(2005年、2006年)
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1つには、「人材確保・育成」に対する課題意識が高まっている点です。また、「社内管理体制」について重視しているとの回答も、昨年に比べて大きく比率を伸ばしています。
一方、「海外進出」や「M&A」などの、言うなれば外部成長を加速させる項目に対する課題意識が相対的に減少していることが覗えます。
図2のグラフでは、このような各種の経営課題に対して、外部からのどのような支援が有効であったとお考えになっているかを表しています。アンケートの設問では支援の内容を細かく区分していますが、ここではそれらを「ヒト」に係る支援、「モノ」に係る支援、「カネ」に係る支援の3つに分類して分析してみました。
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図2 外部からどのような支援が有効であったか
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昨年との比較で見ると、(「最大の経営課題」に対する回答と同様)「ヒト」に係る部分での外部支援に対する評価が高くなっていることが見てとれます。一方、「カネ」に係る支援が有効であったという認識は、2005年の27%から2006年は24%に減少しています。
以上のとおり、受賞企業の皆様が内部的に認識している経営課題と、有効であったと認識する外部支援の二つをまとめてみますと、今年の特徴は図3のように表せるのではないかと思います。
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図3 今年度のトップ企業50社に見られる特徴
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この図の横軸は、どこで成長を実現するのかを表しています。右側がM&Aによる外部成長、左側は企業の内部成長による市場の取り込みを表しています。縦軸は下が海外マーケットで上が国内マーケットです。枠外の矢印で示すように、2006年は2005年と比較して、左上方向に問題意識がシフトしているのではないかと思われます。
この傾向は国内での事業機会が増加してきたことを示唆していると言えます。このため、M&Aによる外部企業体の取り込みや海外市場での自社のビジネスモデルの拡大という部分ではなく、国内マーケットに注力してさらなる成長を追及するために優秀な人材の確保・育成に目が向いているのではないでしょうか。
また、2008年の日本版SOX法施行を控えて、社内体制をどのように整備するべきかにも意識が高まっていると言えます。
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