- 2006/10/23 掲載
【最新Webテクノロジー】モバイルアフィリエイト最新動向とアフィリエイトが今後向かうべき方向性
【JANES Wayエピソード2特集】アドウェイズ 取締役 COO 松嶋良治氏
ブログの爆発的な普及などを背景に、アフィリエイト市場は拡大を続けている。アドウェイズでは2001年以来、インターネット(パソコン向け)とモバイル(携帯電話)向けのアフィリエイトサービスを提供してきた。
![]() |
株式会社アドウェイズ 取締役 COO 松嶋良治氏 |
特にモバイルアフィリエイトの分野においてはパイオニアとしての自負があり、2005年度の売上実績でも業界1位になっている。最近のモバイルアフィリエイトの動向として、今まではアフィリエイトに取り組むことのなかったパソコンを持たないユーザー層の増加が挙げられる。特に若年層に多いが、携帯電話だけで利用可能なブログサービスなどを使ってモバイルサイトを作り、積極的にアフィリエイトを導入している。
いまやパソコンのアフィリエイトでは、SEOの知識など高度なスキルとノウハウを持つ人でなければ成功することが難しくなった。しかし、モバイルでは検索エンジンの対応なども始まったばかりであり、ノウハウも確立されていない。まだまだ進化の途上であるだけに、より多くのアフィリエイターにチャンスがある状況といえるだろう。
アフィリエイトを展開するメディアも、インターネットのパソコン向けサイトや携帯サイト、メールマガジンだけでなく、多様化しつつある。その1つとして、アドウェイズではフリーペーパーなどの紙媒体を利用したアフィリエイトサービスを提供している。代表的なパターンとしては、紙媒体の広告にURL入りのQRコードを掲載して、そこから携帯サイトへ誘導するというもの。これに加えて、新たな成果測定の仕組みを取り入れたアフィリエイトとして、今年5月よりペイパーコール(着信課金型広告)のサービスを開始した。日本の商習慣に根付いた「電話の着信」を成果地点にすることで、自社サイトを持たない広告主でも、アフィリエイトによる費用対効果の高い広告展開が可能となる。
ペイパーコールを利用すれば、紙媒体以外でも音声や映像など、クリックの発生しないさまざまなメディアでのアフィリエイト広告の成果測定が可能だ。この特性を活かし、今年7月には、ポッドキャスト番組へのアフィリエイト広告配信も開始した。
このような新しいメディアでの展開を進める一方で、アフィリエイト市場が今後さらに大きく成長していくためには、アフィリエイトをよりわかりやすく、誰もが参加できるサービスへと進化させていくことも必要だ。今、アフィリエイトは個人がブログで手軽に稼げる仕組みとして注目されているが、実際には、アフィリエイト市場全体の売上の中でも法人メディアの売上がかなりの割合を占めている。個人のメディアでも、特にパソコンのアフィリエイトでは先に述べたように、成功しているのはごく小数のスキルの高い人たちに限られる。大部分のアフィリエイターは利益が限りなくゼロに近い状況なので、よく言われるようなロングテールの構造にも実際には成り得ていない。アフィリエイト自体の機能も豊かになった分、複雑化し、わかりにくくなっている一面もある。
高い成果をあげているスーパーアフィリエイターのニーズに応えることも必要だが、より多くの人がアフィリエイトの機能を簡単に使いこなして少しでも成果をあげられるようになり、アフィリエイトの売上構造が本当の意味でロングテール化すれば、アフィリエイト市場の可能性はさらに大きく広がるはずだ。いずれは、アフィリエイトがインターネットやモバイルでブログを始めるときの標準サービスとなり、航空会社のマイレージサービスのような感覚で、誰もが特別に意識せずに利用できる時代になるだろう。
アドウェイズでは、すべてのサービスを自社開発している。もともとその開発拠点として中国に子会社を設立したが、現在そこは会社全体の戦略上、重要な営業拠点でもある。日本の5倍もの携帯電話が流通している中国は、モバイルアフィリエイトの市場として非常にポテンシャルが高い。そこで我々は、日本のアフィリエイト企業としてはいち早く中国に進出し、現地でのアフィリエイト事業を開始した。
モバイルアフィリエイトが好調とはいえ、日本の市場だけではいずれ成長にも限界がくる。もともと我々は、日本国内だけで事業展開しようとは考えていない。日本で成功した可能性のあるビジネスは、どんどん世界に広げていくつもりだ。
関連コンテンツ
PR
PR
PR