- 2006/08/01 掲載
日立情報と日本オラクル、システムインテグレーション分野で技術検証を開始
【M&A/協業】異種DB環境などで稼働する業務パッケージ間のシステム連携にSOA技術を適用
特に、異なる種類のDBを基盤とする業務パッケージ間の連携を中心にBPEL(注1)を適用して検証し、顧客の多様な業務環境に柔軟・迅速に対応できるシステム連携ソリューションの提供を目指すという。
従来の中堅・中小企業では、業務特化型の個別パッケージを段階的に導入し、必要に応じて各パッケージを連携させ、企業内システム全体を構築するケースが多数を占めていた。一方で、企業を取り巻く環境変化の加速により、ビジネスプロセスの変化に企業内システムを迅速に対応させる必要性が高まっている。こうした動向のなか、環境変化に柔軟に対応できる企業情報システムを構築する解決策の一つとして、SOAが実用段階に入っている。
日立情報は、中堅・中小企業に対する豊富な業務アプリケーション開発経験を強みに、複数のパッケージとカスタムアプリケーションにより短期間でシステムを構築するベストスイートERPサービス(Best Suite ERP Service)を展開している。今回の技術検証は、SOAに対応するXML(注2)ベースのビジネスフローエンジン「Oracle BPEL Process Manager」の活用により、日立情報が開発または取り扱う業務パッケージ間のデータ・業務プロセスを連携させ、変化と成長を続ける企業に最適なシステム基盤の開発をめざすものである。
今回の検証では、「Microsoft SQL ServerTM」と「Oracle Database 10g」という異種データベースのプラットフォーム上で稼働する業務パッケージ間のシステム連携にBPELを適用する。異なる業務パッケージ間で発生する典型的な業務プロセス(受注業務など)の連携実装をはじめ、パッケージ間の業務プロセスモニタリングによる内部統制対応機能の検証、自社パッケージの内部処理プロセス制御への適用など、広範囲な技術領域でBPELの評価を実施する。
また、検証完了後は、自社パッケージ「TENSUITE(テンスイート)」や、エス・エス・ジェイ「SuperStream」等とのシステム連携をはじめ、SOA技術適用領域の拡大と各種業務パッケージの連携ソリューション開発・拡販を展開していくという。
今回の技術検証に関して、日本オラクル アライアンスビジネス統括本部 常務執行役員/統括本部長 前田 浩氏は次のようにコメントしている。
「日本オラクルは、日立情報システムズのOracle BPEL Process Managerを利用した業務パッケージ間連携の検証開始を歓迎します。
今回の検証は、今後のSOA実現を加速するものとなると確信しています。特に、中堅・中小企業におけるシステムを支えている多くの業務パッケージ製品においては、SOA導入をより現実的な手法で実現する一歩となるでしょう。また、オラクルが提唱するミドルウェア製品の実装を非オラクル製品との間で連携することは、各企業が保有する現有IT資産を有効活用し、その上で新たなビジネスプロセスを構築する手法として、今後ITシステムのあり方を示すものとなります。
日本オラクルは、今後も日立情報システムズと強力なビジネスアライアンスを実施し、様々なパッケージ製品での、Oracle BPEL Process Managerの利用を促進していきます。」
(注1)BPEL(Business Process Execution Language):XMLベースのビジネスプロセスワークフロー記述言語
(注2)XML(eXtensible Markup Language):ユーザが独自のタグを指定できるマークアップ言語
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