EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング ディレクター 緒方 兼太郎
東京大学法学部卒 パリ・ドーフィン大学MBA取得 米国公認会計士 外資系金融機関において、カバードボンドや証券化商品、OTCデリバティブに関連する業務に従事。現在は、金融機関などに対して、IBOR移行やデリバティブに関する規制対応やガバナンス・リスクアペタイトフレームワーク高度化、サードパーティリスク管理高度化、アンチ・マネーローンダリング対応支援、再建計画の高度化などのアドバイザリー業務を提供。
LIBOR(London Interbank Offered Rate:ライボー)をはじめとするIBOR(銀行間調達金利指標)は、2012年のLIBORなどの不正操作問題以降、FSB(金融安定理事会)やIOSCO(証券監督者国際機構)などにおいて、改革の取り組みが行われている。しかし、2017年7月の英国のFCA(金融行為規制機構)のアンドリュー・ベイリー長官による「LIBORの未来」というスピーチのなかで、インターバンク市場における取引量の減少がLIBORの持続可能性に疑義を生じさせており、すべてのLIBORのパネル行に対し、2021年末まで、自主的にLIBORを維持することに同意し、また、それ以降はLIBORへのレートの呈示を強制しない旨の発言をしている。英国だけではなく、FSBや米国のCFTC(商品先物取引委員会)などもIBORの移行について言及しており、2021年末に向けたIBOR移行の動向に注目が集まっている。