東京大学大学院工学系研究科教授 西成 活裕
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)。山形大学、龍谷大学、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、現在は東京大学大学院工学系研究科教授。専門は渋滞学、および数理物理学。様々な渋滞を分野横断的に研究する「渋滞学」を提唱し、著書「渋滞学」(新潮選書)は講談社科学出版賞などを受賞。2013年文部科学省「科学技術への顕著な貢献 2013」に選出、2021年イグノーベル賞受賞。2010年内閣府イノベーション国際共同研究「流通と理学」座長、2021年度国土交通省物流施策大綱委員、フィジカルインターネット実現会議委員など、物流に関する国の会議で多くの有識者委員を務める。
世の中の半数程度の荷主企業らに対して、CLO選任が義務化される。CLOとは、Chief Logistics Officer(チーフ・ロジスティクス・オフィサー)の略で、物流の見地から企業の営利活動を最適化する役員相当を指す。物流統括管理者、最高ロジスティクス責任者、最高物流責任者とも訳される。物流総合効率化法(物効法)の一環で、CLO選任義務化は2026年春から施行される予定だ。だが、CLOはもともと高度物流人材として議論されてきた職務であり、求められるスキルレベルは極めて高い。ほとんどの企業では適任者選びに頭を悩ませることになるだろう。そこで本稿では、CLOを理解するために必要な3つのポイントを解説する。