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「AIが仕事を奪う」論争に終止符、慶應 山本勲が説くAI時代に日本企業が成長する条件

AIが話題になるたびに繰り広げられる、「AIに仕事を奪われる/奪われない」という議論。実は、この議論に終止符を打つ“事実”が実証研究により明らかになっている。AIが企業にもたらす影響、そしてAI時代に日本企業が成長するための条件を慶應義塾大学商学部教授の山本勲氏が語った。

IT普及で起きた「雇用の二極化」、AI普及では何が起きる?

 山本氏は、「AIはまだ発展途上のテクノロジー」としたうえで、ITによる技術革新が社会に及ぼした影響の例を挙げた。

 米国でITの普及が進んだ1980~2005年の25年間で、職種別の雇用シェアの変化を調査した結果、スキルが「非常に高い職種」と「非常に低い職種」の双方で雇用が増加。逆に「中間層の職種」では激減していたことが分かった。これが「IT化による雇用の二極化」だ。

 ITによって単純作業や事務作業などの「中間層」が担うルーティンワークが減少し、それ以外の知的労働や手作業などの定型化できない業務(ノンルーティンワーク)だけが残ったことで、相対的に「雇用の需要が高まった」ことも判明した。

 もう1つ注目すべきは、ITがルーティンタスクを代替した結果、それらを担ってきた中間層から「より高度なタスクを担う職種にシフトした者」が一定数いたという事実だ。

「新しいテクノロジーの普及の過程では、ITに代替されたタスクを担当してきた人の仕事内容をどう変えていくか。すなわち『タスクトランスフォーメーション』が決定的に重要です」(山本氏)

この記事の続き >>

  • ・AI時代に企業が成長するための鍵「タスクトランスフォーメーション」とは何か
    ・「AIに仕事を奪われる」論争に終止符、実証研究が示す“事実”とは
    ・「賃金格差」はこうして生まれる、2つの要因
    ・国際調査で判明、日本企業に「ルーティンタスク」が多いワケ

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