• 2025/03/25 掲載

SEC暫定委員長、X買収開示遅れのマスク氏提訴で唯一反対票

ロイター

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Chris Prentice

[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)が1月にX買収を巡ってイーロン・マスク氏を証券法違反の疑いで連邦地裁に提訴した事案について、委員5人のうち唯一提訴に反対したのが第2次トランプ政権でSEC暫定委員長を務めている共和党系のマーク・ウエダ氏だったことが、ロイターの取材で分かった。提訴はバイデン政権末期の1月14日だった。

情報筋3人によると、全委員5人のうち共和党系ヘスター・パース氏を含む4人が提訴に賛成票を投じ、反対票はウエダ氏に限られたため、その翌週に提訴に至った。

また、別の情報筋2人によると、ウエダ氏とパース氏はSECがマスク氏に支払わせようとした額(不当利得として推定される1億5000万ドルの返還に罰金を加えたもの)に異議を唱えた。パース氏は最終的に3人の民主党系委員とともに提訴に賛成票を投じた。

法律では、企業の発行済み株式の5%以上を取得した投資家は10日以内にその保有を開示しなければならない。マスク氏が開示したのは2022年4月。これを受けてツイッター株を前日終値比27%急騰させることになった。しかし、SECによると、マスク氏は購入から21日後に開示し、低価格でツイッター株を追加で買うことが可能だった。SECは、マスク氏が最終的に1億5000万ドルの支出を節約できたと判断し、提訴に踏み切った形だ。ツイッターの株主もマスク氏を詐欺罪で提訴した。

複数の情報筋によると、マスク氏の開示遅れが故意だったかどうかを突き止めようとしたSECの方針に加え、マスク氏の非協力的な態度により、調査には時間がかかった。マスク氏は2022年に2回証言することに同意したが、3回目は拒んだため、SECは地裁に対し追加証言を強制するよう求めた。24年10月3日にマスク氏は証言したものの、この事案は大統領選前に決着できなくなった。

マスク氏は、今回の件に関する召喚状に対し4月4日までに対応する必要がある。

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