- 2025/02/27 掲載
製薬業界のAI導入拡大が話題さらう、インドで開催の医療国際会議
[ハイデラバード 26日 ロイター] - インド南部ハイデラバードで今週開かれたライフサイエンスとヘルスケアに関する国際会議で、製薬業界での人工知能(AI)の導入拡大が話題をさらった。トランプ米大統領が輸入医薬品への関税強化をちらつかせていることに関しては、業界幹部からは状況がもっとはっきりするのを待ちたいとの声が多く聞かれた。
米アムジェンなどの製薬会社やパレクセルなどの医薬品開発業務受託会社は、AIの導入によって治験の一部の期間が短縮されると強調。パレクセルはAIモデルを試験的に利用したことで、医薬品の安全性に関する報告書の作成にかかる時間が人手による処理に比べて30分ないし45分短縮された。AIが生成した報告書は専門家がチェックするという。
コンサルティング会社EYのパートナー、チャイタニャ・ロユル氏は、医薬品の開発はAIを使うことで最も初期の「発見(素材などを見つけること)」から本格的な生産に至るさまざまな段階でコストと時間を半分にするのに役立つと指摘した。
AIを使った画像診断は、医師によるがんの発見を補助している。消化器医療の専門家は、AIによる画像診断で医者が見過ごした小さながんが見つかった事例を紹介した。
インドは米国向け医薬品輸出が大きいだけに、トランプ氏が医薬品の輸入に関税を課す計画を打ち出していることは今回の会議に影を落とした。ただドクター・レディーズなどの製薬大手はまだ様子見だと説明している。
ピラマル・ファーマを率いるナンディニ・ピラマル氏は「今は様子を見ているところだ。(トランプ政権の)関税が具体的にどのようなものになるのか、あるいは移行期間が設けられるのかについてはまだ明確な情報がない」と述べた。
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