自動車、電機など五つの産業別労働組合で構成する金属労協は２７日、傘下労組の２０２５年春闘での交渉状況について集計結果を発表した。基本給を底上げするベースアップ（ベア）に相当する要求額の平均は月額１万４１４９円と前年同時期を１７５７円上回り、比較可能な１４年以降で最も高い水準だった。

記者会見した金子晃浩議長は「日本経済の好循環を安定的なものにしていくために、今年の取り組みは非常に重要だ」と語った。２５日時点の集計では３０５０組合中、１４１６組合が要求を提出。このうち９割に当たる１２６３組合が賃上げを要求した。

金属労協は、２５年春闘で１万２０００円以上のベアを要求する方針を掲げており、特に中小企業の底上げが課題となっている。金子氏は賃上げ原資を確保するための価格転嫁について、「まだまだ全体には行き届いていないのが実情だ」と指摘した。

【時事通信社】 〔写真説明〕２０２５年春闘の交渉状況について、記者会見する金属労協の金子晃浩議長＝２７日午後、東京都中央区