- 2025/02/27 掲載
EU、企業の報告義務簡素化計画 国際競争力の向上目指す
[ブリュッセル 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は26日、持続可能性に関する企業の報告義務と、サプライチェーン(供給網)の透明性を巡る規則を緩和する計画を示した。米国と中国に対する欧州企業の競争力を高めることを狙いとした包括的な改革の一環。
「簡素化オムニバス」と銘打たれたこの計画には、産業の脱炭素化を促すインセンティブや、エネルギーコスト低減措置も盛り込まれている。
第1段階として2025年上期に実施する一連の措置で、報告の負荷を25%減らす。これは域内企業全体で400億ユーロ(420億ドル)の経費節減につながると欧州委は説明した。EUの企業・業界団体はこれまで、役所手続きの負担が重く米中と競う上での障害になっていると不満を訴えてきた。
フォンデアライエン欧州委員長は声明で「(規制緩和により)企業が活動しやすくなると同時に、脱炭素化目標に向けた進路はしっかりと確保される。今後も簡素化を進めていく」と表明。トランプ米政権が成長を重視して気候変動関連の規制を緩和する中でも、EUとしては脱炭素化などの気候変動目標を堅持する姿勢を示した。
一方、欧州委は競争力向上の第2の柱である「クリーン産業ディール」も併せて発表した。これは高コストと官僚主義に直面するエネルギー集約型産業を支援するとともに、クリーン技術セクターを強化する施策となる。
同ディールでは、EUのクリーンな製造業を支援し、クリーン技術向けの公共調達プロセスを簡素化するために1000億ユーロ(1050億ドル)を手当てすることを提言している。
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