- 2025/02/11 掲載
米ベイン、富士ソフトTOB「撤回も選択肢」 KKRの価格引き上げで
Miho Uranaka
[東京 11日 ロイター] - 米投資ファンドのベインキャピタルは10日、富士ソフトを巡る株式公開買い付け(TOB)について、「予告を撤回することも選択肢に含め、今後の方針について慎重に検討を行っている」とするコメントを公表した。米投資ファンドのKKRが4日にTOB価格をベイン案を上回る水準まで引き上げたのを受けての対応。
ベインのリリースによると、2月5日にTOBを開始するため準備を進めていたが、KKRが買い付け価格を引き上げたため、予定していた買い付け価格のままでは成立が見込めないと判断。TOBの開始を見送ることにした。
さらに、富士ソフトや同社株主などにとっての最適な提案を検討しており、公開買い付けに関する「予告を撤回することも選択肢に含め今後の方針について慎重に検討を行っている」ことを明らかにした。
富士ソフトにはKKRとベインがそれぞれ買収を提案し、価格を引き上げ合っていた。
KKRがTOBを開始したのは2024年9月で、当初1株8800円で買収を目指していた。KKRは2段階のTOBを実施しており、第1回目で発行済み株式の33.97%を取得している。
ベインは10月、1株9450円で対抗TOBを提案。KKRは、ベイン案を1円上回る9451円に価格を引き上げ第2回TOBを進めたが、ベインが12月に9600円に引き上げたことから、TOBの締め切りを3度延長した。
KKRは4日、買収価格を1株当たり9850円に引き上げると発表。長期化により富士ソフトの企業価値が毀損(きそん)する懸念も生じるとして、TOB成立の確度を高めて早期の収束を図りたい考えを示していた。
*写真が正しく表示されていなかったため、再送しました。
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