- 2025/01/17 掲載
ECBラガルド総裁は渋面、ドラギ氏は笑顔で市場にメッセージ=研究
市場関係者は、中央銀行総裁の一言一句に注目して金利動向を探るが、「金融政策における感情」と題された学術論文では、表情や声の調子の変化が市場に影響を与える可能性があることが明らかになった。
ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセンのピーター・ティルマン教授のほか5人の研究者は、最新のテクノロジーを使って、ECBの政策決定後の記者会見におけるラガルド氏とドラギ氏の表情や声を分析した。会見の記録に機械学習モデルを使い、メッセージがハト派的(金利引き下げを示唆)か、タカ派的(利上げを示唆)か、あるいは中立かを評価した。
ドラギ氏のメッセージはハト派的、タカ派的に関わりなく、笑顔で語りかけると、国債利回りやユーロ、株式により大きな影響を与えることが分かった。論文で「ドラギ氏の言葉は嬉しそうな表情で語られると意図した効果を発揮する」と指摘。一方、「ラガルド氏の場合、怒りの表情が強まるほど、債券利回りにタカ派的な影響が拡大する」と言及した。
研究者らはこの結果から、当局者や市場関係者が非言語コミュニケーションや感情の含意の重要性の認識を高めることを期待している。
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