- 2025/01/13 掲載
米政府が規制強化、AI半導体輸出に数量制限 同盟国は対象外
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米政府は13日、人工知能(AI)向け先端半導体と技術輸出を一段と制限する規制案を公表した。米国と同盟国での利用に限定を促す一方で中国のアクセスを阻止するために対象国を階層化している。
新規制は、多くの国への半導体輸出に数量で上限を設ける。また同盟国には無制限のアクセスを認める一方、中国、ロシア、イラン、北朝鮮への輸出遮断は維持する。中国だけではなく世界的にAI半導体輸出を規制することで、この分野での支配的地位の維持を目指す。
トランプ次期大統領が新規制をどう施行するかは不明だが、中国からの脅威についてはバイデン政権と同様の見解を示している。新規制は120日後に発効する予定。
AIモデル設定に必要なデータセンター向けに使用される高度グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)に制限が設けられる。その多くはエヌビディア製。アドバンスト・マイクロ・デバイセズも販売している。
マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどクラウドサービス大手は、データセンター建設へのプロジェクトはグローバルに認可を求めることが可能で、これらのプロジェクトは新規制の対象外。
認可を受けるためには、セキュリティ要件、報告、人権尊重への計画や実績など厳しい条件や制限が課せられる。
エヌビディアは13日、この規制は「行き過ぎ」とし、主流のゲームパソコンや消費者向けハードウェアで利用可能な技術を取り締まることになると批判した。
規制は各国を3つの階層に分ける。日本、イギリス、韓国、オランダなど18カ国程度はティア1で基本的に規制の対象外。シンガポール、イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦など約120のティア2国は、国別上限に直面する。ロシア、中国、イランなどは技術移転も全面的に禁じる。
AWSやマイクロソフトなど、グローバル認可を受ける可能性の高い米国を本拠とするプロバイダーは、AI関連で米国外に展開できるのは50%だけで、ティア1国以外は25%以下で1カ国あたり7%以下しか展開できない。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、「今後数年間でAI能力が急速に向上し、経済や国家安全保障に変革をもたらす可能性があることに米国は備える必要がある」と述べた。
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