- 2024/11/15 掲載
トリプルレッドで米財政への警戒度高まる=DBRS
トリプルレッドよって、トランプ次期米大統領は企業や労働者、退職者向けに大規模な減税を実行できる可能性が出てきた半面、それは共和党がしばしば掲げてきた政府債務を35兆ドル以内に抑えるという目標が試練にさらされることになる。
ジェームズ氏は「米財政の重圧が増すとみなされかねない幾つかの政策は、何らかの形で抑制と均衡の力が働いて阻止されると想定していたが、今はその展開になっていない」と述べた。
実際米国債利回りも、トランプ氏の政策が既に膨らんでいる財政赤字に一段とプレッシャーを与え、インフレを醸成するとの懸念から、上昇を続けている。
ただジェームズ氏は、当面の話で言えば、米国の経済規模の大きさやドルの準備通貨としての特別な地位などの要素が米国の格付け引き下げに対するクッションになるはずだと説明した。
DBRSはより大手の格付け会社に比べて米国の信用力に対する評価が高く、格付けは最高位の「AAA」、格付け見通しは「安定的」としている。他社ではムーディーズだけが米国の格付けを「AAA」に維持しているものの、格付け見通しは「ネガティブ」だ。
トランプ氏の大統領選勝利後には、米国はウクライナ支援を継続するのか、あるいは欧州各国が、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げるという北大西洋条約機構(NATO)の目標達成をより強く迫られるのではないかとの懸念が浮上している。
ジェームズ氏は、欧州諸国が防衛費を増額する必要が生じれば、他の支出や税制の面で「極めて難しい選択」を強いられると予想した。
特に財政状況が厳しく、なお防衛費がGDP比2%に届いていないイタリアやベルギーは、ぜい弱な立場に置かれるだろうという。
ジェームズ氏は、ドイツで財政赤字を一定規模に抑える「債務ブレーキ」が見直される可能性にも言及した。
保守野党キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首は13日、見直しがあり得ると発言している。
ジェームズ氏は、欧州の安全保障情勢が緊迫化すれば、債務ブレーキ以外の長期的な手段を講じる時間がなくなり、見直しに動いてもおかしくないと分析した。
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